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小説 アーカイブ

2007年11月14日

文庫の宣伝です

文庫の宣伝です。
コスミック出版から4冊目の本になります。
コスミック出版のセシル文庫は新しいレーベルなので書店にもまだ棚がありません。
なかなか探しづらいとは思いますが、新刊売り場を覗いて下さい。

コスミック出版セシル文庫「夜ごと獣はささやいて」 イラスト:あしか望

不幸な千波の前に現れた美貌の男は人間ではなかった。
千波を助けるかわりに自分のものになれと迫る男に、否応なく取り込まれ
繰り返される快感と恥辱の中で次第に男の本心を知ることになる―――
とかいうとなんかすごいエロ凌辱モノみたいですが
けっこう楽しい話に仕上がりました。
ケモ耳ゴーマン攻めさまをかっこかわいいと思っていただければ幸いです。
ちなみに攻めさまは変身します(笑)。

夜ごと獣はささやいて

2007年11月19日 発売
見つからない場合は店頭注文・お取り寄せで。
AMAZONはこちら→夜ごと獣はささやいて (セシル文庫 し 1-4) 白城 るた

出版コードは ISBN978-4-7747-2173-6
こちら から直接通販もできます。

携帯小説

AU「お嬢様の本棚」でドクターの悪だくみ3 が配信されてます。
3はかなり加筆して(主にベッドシーン(笑)おります。
イラストも泣く泣く自分で描きました。
よかったら読んでみてください。

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2007年09月19日

電子書籍再び

角川から連絡がきて、10月から角川ルビー文庫の電子書籍が配布になるとのこと。
角川のルビーといえば、丸川出版シリーズの「きっとハッピーエンド」「そしてアイラブユー」「だからフォーリンラブ」「ぎゅっとホールドミー」と「たとえばそれが恋なら」。

丸川シリーズは短編集なので携帯でもよみ易いかな。

いずれももう絶版なので電子書籍で読んでみてください。わりとその時その時好きなものがとりいれてあって読んでると面白いです。さすが角川というか配布先がずいぶん多いのでどの携帯でも読めるんじゃないかな。とりあえず小説サイトで「白城るた」と検索すれば出てくると思います。

きっとハッピーエンド
白城 るた
4044363013


2007年08月17日

今書いてます

そんなわけで
1つのカップリングで長編で現代もので明るくて楽しくてえっちなもの。
そういうものを書いているんですが、攻めは人外です(笑)。
魔王様ではありません。けもの耳ついてます。
かっこいい攻めとかわいくて元気な受けでがんばりたいと思います。

2007年08月16日

ファンタジーは売れないか?

8月いっぱいまで本職の締め切りがあるのでサイトの更新はほぼストップするかと思います。まあサイトの更新と言っても写真とゲーム関係くらいなんですが(小説も書けばいいのに)。あと二時創作の妖奇士とアイシーも止まります。
本職の方はコスミック出版の文庫で、今回はリヴィエルじやないです。ほんとは異世界ファンタジーものが書きたかったんですが、編集さんにファンタジーは今売れませんと言われました。そうでしょうか? けっこうファンタジー見かける気がするんですけど。小学館からでているオトメ系とかゲーム系とか漫画とかで。
ひとつの国の神官を中心にしたものなんですけど………いろんな世代でいろんな神官さまと彼を愛する男たちの短編集。あ、短編集もNGって言われたんだ。
ファンタジー好きな人いませんか? 私が書くものだからエセファンタジーなんですが、薄い長衣ひらひら~で剣と魔法と愛とかけひきとエロの世界を買ってくださる方はいませんかね。

2007年03月30日

電子書籍

電子書籍というのが大流行ですね。

私の携帯はネット契約してないので見られないのですが、携帯小説を読む方も多いようです。
前にも書きましたが私の小説もいくつかは携帯で読むことができます。

いくつか増えましたのでお知らせします。

現在芳文社とマガジンマガジン社が電子配信事業に力をいれているようで、これらの出版社が契約している電子出版会社があります。
携帯でネットの出来る方、興味がおありでしたら読んでみてくださいね。ダウンロードされると1/4の印税が私に入ります。1/4というのはなぜかといいますと、まず半分を電子書籍を運営している会社がとって、残りの半分を書籍を出版した出版社がとるからです。
つまり1冊800円だとすると、400円が配信会社。残りの400円のうち200円を出版社、そして私に残り200円です。
でもまあ、出版社からの印税が10%(800円なら80円)に比べれば大きいかな。っていうか、出版社とりすぎじゃないのーーー??? と思ったり。

◆ボーイズ パラダイス
EZTOP>カテゴリーからえらぶ>電子書籍>小説・文芸>ボーイズ パラダイス

◆週刊ぼ~いずBOOKS
EZweb
トップメニュー>カテゴリで探す>画像・キャラクター>アニメ・コミック>週刊ぼ~いず
トップメニュー>カテゴリで探す>電子書籍>小説・文芸>週刊ぼ~いずBOOKS
YAHOO!ケータイ
メニューリスト→書籍・コミック・写真集→電子書籍→週刊ぼ~いず

◆アニメイト☆ブックス
EZweb>カテゴリで探す>電子書籍・コミック・写真集>総合>アニメイト☆ブックス
i-mode>メニュー/検索>コミック/書籍>小説>アニメイト☆ブックス

マガジンマガジン社(JUNE)はわからない………どこで配信してんのかも。確か自社運営だったかと。
ごらんになった方がいらっしゃれば教えてください。

また私自身は確かめて読むことができないので、携帯小説読んでみたよ、って方、いらっしゃればどんな感じだったか(挿絵もあるのかな?)教えてください。


2007年03月18日

姉ブーム?

電車の吊広告で「CanCan」という雑誌のお姉さん雑誌の広告があった。
誌名が「姉Can」………。いや………それって………対象は女性なんだよね?
男性向きかと思った。

AneCan (アネキャン) 2007年 04月号 [雑誌]
B000NJM35S

イメージキャラが押切もえ。
………けばくね? この化粧。
25歳を中心に前後5歳ずつ幅があるらしい。

そうかと思えば今日はやはり吊広告で女性エグゼクティブのための雑誌「E-W」が。
20代後半~30代ってとこなのかな。
女性管理職のための雑誌? ひ、必要なんですか? 管理職のためのファッション、化粧、愛。

日経EW (イー・ダブリュ) 2007年 04月号 [雑誌]
B000MV8WI4

それにしても世の中は「姉」ブーム?

憧れの女性管理職はやっぱり南雲隊長かな………。

2007年03月06日

時代劇はいいねえ

眠狂四郎無頼控 1巻(柴田錬三郎)
文書がとにかく色っぽい! 1つの大きな話の流れの中で眠狂四郎がいろんな事件を解決していくスタイルで飽きさせない。狂四郎の虚無感がただのキャラづけじゃなくて説得力がある。
なので時々やる気を見せてくれると楽しくなっちゃう。

眠狂四郎無頼控 (1)
眠狂四郎無頼控 (1)柴田 錬三郎

おすすめ平均
stars時代を超えなかった時代劇ヒーロー
stars涙すら
starsこちらの方が面白いです。

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by G-Tools

消えた女(藤沢周平)
時代劇というよりハードボイルド。
消えた幼馴染を追っていく中で巨悪に立ち向かうはめになっちゃうんだけど、巨悪が自滅したあと幼馴染は行方不明のままであれー? って感じ。ぜんぜん違う方面から情報がでてきて解決っていうのがハードボイルド(笑)。

消えた女―彫師伊之助捕物覚え
消えた女―彫師伊之助捕物覚え藤沢 周平

おすすめ平均
starsハードボイルド!
stars江戸を舞台にした人気サスペンスシリーズの1作目です
stars伊之助迷路を歩く

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町奉行日記(山本周五郎)
武士たるものの美しさ! バラバラの話なんだけどどれもがいぶし銀の光をまとう芸術品。

町奉行日記
町奉行日記山本 周五郎

おすすめ平均
starsこの本を読んで周五郎を知ってください

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しかし書影画像なさすぎ。

2007年03月03日

仰天 土佐日記

おとこもすなるにっきといふものをおんなもしてみむとてするなり。

古典や日本史の授業で「土佐日記」という言葉に触れたことがある人もいるだろう。内容は知らなくてもこの冒頭の一文で、「男もすなる日記といふものを、女もしてみむとてするなり」という解釈から紀貫之が女性の立場に立って書いた、という今で言えばネカマブログみたいなもので記憶に残っているに違いない。
ところがこれに新解釈が最近くわえられた。
この時代、文字には濁音をつけなかったということ、「してみむ(してみる)」という言葉の使い方はしてなかったということ、このふたつからもう一度、冒頭の文を読むと、

おとこもすなるにっきといふものを おんなもしてみむ とて するなり。

ではなくて

おとこもすなるにっきといふものを おんなもし て みむとて するなり。

と読める。

つまり「男もすなる日記といふものを、女もしてみむとてするなり」ではなく「男もすなる日記といふものを、女文字で見むとて、するなり」

ネカマ疑惑晴れたー!?

もともとなぜ紀貫之が女性の振りをして書いたのか謎だったらしい。

1000年ぶりに新しい解釈をされた土佐日記。
「男が女性のつもりで書いた」という事実が「男が女文字(ひらがな)を使って書いた」という事実になって一体なにがどう変わるの? と思われる方もいらっしゃるでしょうが、書き手としてはぜんぜん変わるんですよ。
いや、1000年も前に男性が女性視点で書いたっていうアバンギャルドな事実がなくなってしまったって、これは日本文芸界にとってかなりの重大事件だと思いますよ?

すらすら読める土佐日記
すらすら読める土佐日記林 望

おすすめ平均
starsよくわかります
stars一度は読んでみて!

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2007年01月18日

リヴィエルと鷹実シリーズ3完成

リヴィエルと鷹実のシリーズ3巻目、すべて書き下ろしをUPしました。
本当は年内に仕上げる予定だったのですがそのぅ………すいません。
15日までにはなんとかといいながら15日の夕方になってしまいました。
文章を書く人間が遅れるとイラストを描いてくださる方にしわよせがいってしまいます。
すみませんすみません。
校正する編集さんにもしわよせがいってしまいます。
すみませんすみません。

タイトルもなかなか決まらなかったのですが
「幸せのたまご」となりました。

3本書いたのですが、最後の1本がなかなか降りてこなくて。
年明けぎりぎりになってようやく降りてきてくれたので一気に書いたらあんがい長くなってしまいました。
リヴィエルがドタバタして情けない話です。けっこう好き。楽しんでかけました。
………でも私が楽しいものって意外と受けないので不安です。
発行は3月中旬の予定です。
季節的には春~初夏の話になりました。季節感まったくないですね。
なにはともあれ今回も雁川さんが素敵にかわいく美しい絵を描いてくださるでしょう。
エロスなシーンも1,2,3,4………まあいくつかありますのでお楽しみに。

書いてて私はリヴィエルが好きだなあと思いました。こういうあけっぴろげで素直な人間はめっちゃ書きやすいです。勝手に動いてくれるし怒ったり笑ったり泣いたりいろいろやってくれます。私は鷹実と同じようにそんなリヴィエルに振り回されている感じです。ありゃ、なんかあとがきみたいになってきたぞ。あとがき苦手なのに。このままこれあとがきにしちゃおうかな。

わたしが好きなエロスはこう、いやがってるのをむりやりとか、攻め様が言葉責めとか恥ずかしがらせるとかそういうのなのですが、ラブラブカップルではそれができません。
そのへんがこのシリーズには足りないと思います。
なので今回リヴィエルが鷹実にちょっとしたおしおきをしたり、いやがってんのをなだめたりすかしたりしてやっちゃうシーンを書きましたが、リヴィエルと同じように(ここまではOKかな?)(もうちょっとやってもいいかな)と図りながら進めました。
だって鷹実にはあんな過去があるからあんまり無体なことができないでしょう。
ところが鷹実はけっこう感じてくれたり受け入れてくれたりしたのでびっくりでした。
それで、ああ、ここまでリヴィエルに許しちゃってるのねと改めて思いました。

それからリヴィエルがそういうのをできない分、そういうの大好き、むしろ得意、っていうサドな人に登場してもらいましたが、鷹実の横にはいつもリヴィエルがくっついているのでなかなか手が出せなかったのが心残りです。
編集のY崎さんはこういうSな人とかアラブのお金持ちとかお好きなようなのでまた登場させたいです(もしかしてY崎さんは社会的身分のある大人のオジサマが好きなのかもしれない。いや私だって大好きなんですけど、そういうオジサマとおつきあいがないのでうまくかけないんです)。

そのかわり今回少しだけリヴィエルのお兄さんたちを書けました。2巻に名前だけ出ていた長男と次男です。あまあまの長男とクールな次男です。このお兄さんたちも面白そうなのでいつか書きたいと思います。

2006年12月16日

月の扉・ゴシック

「月の扉」「ゴシック」
12月はあまり本を買ってないなあ。
相方が購入した石持浅海さんの「月の扉」。最近読んだ中ではすげ面白かった。
ハイジャックされた飛行機のトイレで女性が殺されていた。でも乗客は全員犯人に座らされている。
犯人は第一発見者の女性の恋人の男性を探偵役に命じ、事件の解決を迫る・・・
別に探偵じゃないのに無理やり推理させられる通称「座間味」くん。もちろんその謎解きも楽しいんだけどハイジャック犯たちの動機も謎で、それが少しずつ明かされていくのも面白い。
タイトルの「月の扉」というのがその謎そのままなんだけど、謎解きまで読まないと全くわからない。
どうなるのか予想がつかないってのは楽しい。

月の扉
石持 浅海
月の扉

桜庭一樹さんの大人気シリーズ「ゴシック」。
学校にある高い塔のてっぺんの図書室に閉じ込められている天才少女と気弱な少年。手に入れた招待状を使って豪華客船に乗り込むが、それは人を襲う幽霊船だった――?
主人公の男子が女性に頭が上がらなさすぎなところがちょっといや。
でもこういうヘタレ男子が男性読者には人気なのか?
かっこいい男よりは女の子に振り回される男のほうが共感できるのだろうか。
こちらは読んでてもただ読んでるだけで月の扉のようなわくわく感はあまりない。文章がするする読みやすいので先へ先へとすすむけど。もう少しヒロインの弱点が欲しい気もする。

GOSICK―ゴシック
桜庭 一樹 武田 日向
漫画ではない

2006年11月03日

小説UPと「廃用身」

小説UP と「廃用身」

魔王さまと僕に「ハロウインの悪魔」UPしました。
ソレだけのはなしです。


        ***


「廃用身」読了。
すごくなんていうかある意味衝撃的な話です。
ネタバレしてますので読みたくない方はここでストップ。

**************************************************

まずはお医者さんの手記から始まります。
とある老人病院の雇われ院長になった30代のお医者さんはそこで老人患者の持つさまざまな苦しみに直面します。
いろいろとあるんですがその中に介護のたいへんさがあげられます。
それは家族の介護のたいへんさだったり、スタッフのたいへんさだったり。
その中で気づきます。
体に障害のあるお年寄りが多いこと。
その中でも「廃用身」と呼ばれる回復の見込みがなくただぶらさげているマヒした手足を持つ老人が多いこと。
「廃用身」とは、脳梗塞などの麻痺で回復の見込みがない手足のことです。
そこで医師は考えました。この「廃用身」を取り除いてしまえば体重は減るし介護も楽ではないのか。
たとえば体重90キロのある老人のマヒした両足をとってしまえば体重が50キロになる。
そうすれば車椅子に乗せる時も下ろすときも楽だ。
しかし、動かないというだけで親からもらった五体を切断してしまうのはどうなのか。
医師もスタッフも患者本人もものすごく悩みます。
そんな中、ある老人の床ずれがひどくなって足が壊死してしまいます。
そこで切断実行。
その後を心配されましたが老人は床ずれの痛みからも開放され、体が軽くなったので両腕だけで移動もでき、癇癪持ちだった性格もなんとなく穏やかになりました。おまけにボケまで改善したようなのです。
医師は考えます。
ボケの原因の一端は脳への血液の流れが悪くなること。しかし今まで五体に回していた血が足に回らなくなった分、頭に回って血流量が増え痴呆が改善されたんじゃないか、と。
もっともこれはデータがとれるほど症例がないので医師の希望的憶測です。
しかし足を切断して元気になった老人の姿を見て、他の老人もマヒした部分をとってほしいといいだします。
医師は充分にカウンセリングをしたのち、「廃用身」を切断していきます。
あくまでも医師の思いやりと研究心から出発したこの療法ですが、それをマスコミが悪意をもって報道しはじめました。
「恐るべき老人医療、残酷な院長」
「老人の四肢を切断」
「手間を省くための措置」
最初は沈黙を守り無視していた医師ですが、ある時期から反撃にでます。
反撃すればますますおもしろおかしくかきたてるのがマスコミです。
医師はどんどんおいつめられていきます。
そして患者たちもおいつめられていきます。
その中で最悪の事態が起こります。
マスコミにはむちゃくちゃ受けのいい悲惨な事件です。
そしてとどめにある患者が自殺して遺書を残しました。
「私は切断したくなかった」
医師は打ちのめされてしまいます。
そして、「私の頭は、廃用身」と遺書を残し、線路に頭を預けて横たわりました………

医師の手記は終わり、そのあとは担当編集者が補足していきます。
医師は本当にマスコミに書かれたように冷酷な人間なのか。蝶の羽根をむしるように老人の手足をもいでいったのか。
この治療は本当にまちがっていたのか………。

廃用身
久坂部 羊
4344406397

これはフィクション、フィクションと唱えていなければ本当にあったことなのだと思い込んでしまいそうです。事実私はノンフィクションだと思い込みました。それほど医師やスタッフ、患者たちの描写が心が力を持って押し寄せてきたのです。
事実著者は老人デイケア施設などを得て、現在も在宅医療専門のクリニックに勤めています。現役の医師です。その現場でしかわからないこと、現場でないと感じないジレンマ、ストレス、アイデア、感情がこの作品を包んでいます。
読後、私は医師を責めることができませんでした。むしろこの治療はあってもいいのではないかとすら思いました。

著者である久坂部羊は言います。
「廃用身は精神的にもお年寄りを憂うつにするもので、その切断は実際にあってもおかしくないと現場医師として感じる。もちろん痴ほうの改善などは虚構だし、この残酷な療法が現実になるとは思っていない。だが事態は奇麗事で済まないところに来ており、何らかの厳しい選択は避けられないでしょう」

激しい選択。
それは近い将来私たちも必ずとらなければならない決断なのです。

2006年11月01日

ハロウインの悪魔

 10月31日、ハロウインパーティ。

 この日僕は教会のボランティアをする予定だった。知り合いに頼まれて神父さんのお手伝いをする。無神論者どころか恋人が人外の魔物だというのいいのかなとは思ったりしたけど。
 形だけだから、と神父服と十字架を渡された。テカテカしたそれはポリエステルなのか、本物に比べれば安っぽい。それでも身につけてみるとそれなりに神父さんらしく見えたりする。
 やることは教会にきた子供たちにお菓子を渡したり、バザーにきてくれたおかあさんたちの案内、あとは机を並べたりなどの力仕事だ。

 まあどうせハロウインなんてこんなことでもないと縁のないイベントでもあるし、暇だし、いいかと思ってでかける準備をしてたその時に。
 
 金色の悪魔がやってきた。
 
「さよーならー」
「さよならー」
「おやすみなさーい」
「おやすみー」

 子供たちが明るい声を上げて帰って行く。その楽しそうな笑顔を見送り、僕は教会の扉を閉めた。
「やれやれ、ご苦労さま、ラキエ」
「何でオレサマがこんなことしなきゃならないんだ」
 ラキエはうんざりした顔で窮屈な襟元を弄る。金髪の悪魔が罰当たりにも神父服を着ている。
「ほんとにね。悪魔なのにそんなに神父のコスプレが似合ってどうするんだ」
 僕は笑って背の高い恋人を見上げた。ラキエは気に入らない服が似合うと言われて、ますます機嫌の悪そうな顔になった。

「今日神父さまが留守だから僕はここに泊まるように言われてるけど、君はどうする? ここは居心地よくないだろ?」
「タダで済むと思ってるのか?」
 凄む悪魔に僕は眉を寄せ言い聞かせるように言った。
「僕についてくるって言い張ったのは君だろ」
 しかし体は言葉ほど強くなく逃げ腰になっている。
「どれだけ我慢してやったと思ってるんだ」
 ラキエはそんな僕に詰め寄って、腰に手を回した。
「だから最初に君には無理だって何度も………」
「無理じゃないからここにいる」

 僕はその手をよけて祭壇の方へ逃げた。ラキエはすぐに追いかけようとせず、祭壇の僕を睨みつける。
「だいたい、せっかくこっちに来た俺をおいて、わざわざ出かけるような用事だったか? これが」
「人間にはいろいろとつきあいってのが大切なんだ」

 夕方やってきたラキエは、これからでかけると言う僕に強引についてきてしまった。到着したのが教会だったのでさすがに帰るかな? と思ってたら一緒に中にはいってきた。そうしたら僕の友人だと思われ神父の服を渡されたのだ。

 不愉快そうな顔をしながらも、ラキエは神父服を着て、僕と一緒に教会のボランティアをはじめた。金髪碧眼のとんでもなくキレイな顔をした神父に、子供たちばかりか母親までうっとりとしたまなざしを送り、なにかと話しかけてきたが、ラキエはいっさい答えなかった。愛想笑いのひとつもできない無愛想で乱暴な神父だったが、それでも彼がいるだけで場は華やいだ。

 しかしその間僕はキリキリ痛む胃を抱え、早く時間が過ぎてくれることを、遠慮のない子供がラキエの髪をひっぱたり、触ったり、わめいたりしないことだけを祈っていた。
 ラキエは笑ったり話こそしなかったが、完璧に人間のふりを演じ続け、立派にボランティアの役割は果たした。さすがに本物の神父が説教をはじめたときは気分が悪いと言って外へ出てしまったが。

 それでも神父服を着て十字架をさげて教会の中に平然とした顔でいられるなんて。
 以前ラキエは神も天使も自分たちと同じ種族だと言った。仲は良くないし、敵対し、争ったこともあるようだったが、これだけ教会が平気なら確かにその言葉は信じられる。

「ねえ、機嫌を直してくれよ、帰ったら………その、なんとか、するから」
 なんでもする、とは言わない。言ったら最後、確実に僕はヤリ殺されてしまうだろう。しかし、怒った顔で立っているラキエも黒い神父服に金髪が映えてとてもきれいだ、と思う。

「イヤだね」
 ラキエはあっさりと、子供のように断言した。そして音もなく跳んで、一瞬で祭壇の前の僕の側まで来た。ダン! と、祭壇に手をついて腕の中に僕を閉じ込める。
「この借りは高くつくぞ」
 ラキエは人の悪い笑みを浮かべたまま、顔を近づける。目が金色に光っていた。誰もいなくなった教会で悪魔の本性を表したのだ。

「立ち去れサタン」
 僕は思わず胸の十字架をラキエにつきつけた。
 ラキエは突然のことに一瞬だけ動きを止めたが、すぐに呆れた表情になった。
「こんなオモチャ、効くと思うか?」
「………思わないけど」
 そもそもラキエも十字架さげているし。

 ラキエに言わせるとこの十字の形は悪魔が好まない形、という意味合いしかない。下等な悪魔は確かにこれを苦手とし、避けるが、それは猫がペットボトルを、鳥が目玉のマークを苦手とするくらいの威力らしい。

 ラキエはつきつけられた十字架を掴んだ。直に触ると少しビリビリすると言ってたが、指先が少し震えたくらいで、平気な顔でそれを僕の背中に回した。
「こんな物、フェンクの餌にもならねぇよ」
「あの、ねえ。ここは教会だよ?」
 僕は周りを見回した。無神論者でもやはりこの場所で………というのは畏れ多い気がする。
「それがどうした」
「だから―――帰ったら、家に戻ったらその、借りは返すから」
「イヤだって言ったろ」
 ラキエは口角をあげ獰猛な笑みを見せた。
「今、ここで返せ」
「ちょ………っ」

 いきなり口をキスで塞がれ、覆いかぶさってきた彼に祭壇へと押し付けられる。さすがに僕も祭壇で神父の格好でどうにかされるのはいやなので、腕を叩いたりして抵抗してみた。そんなもので悪魔の力がどうこうできるものではないが………
 ラキエはもがく僕を体重をかけて押さえつけた。キスを深くしながら浮いた足の間を膝で刺激する。
 目を開けるとマリア像が見下ろしている。その優しい視線に羞恥を煽られ、ぎゅっと目を閉じた。ラキエのキスに感じて力が弱まる。

 ラキエは胸を撫で回していたが、たくさんのボタンとその間隔の狭さに服の中へと入り込めなかったらしい。舌打ちをしながら襟のカラーの際をきつく吸い上げた。
「ラキ……ッ」
 熱い痛みを感じて僕は哀願した。
「あ、あとをつけないで………っ」
「今日の分のお願いはもう終わりだ」

 ラキエは唇を襟に移動させ噛んだ。もしかして破こうとしている………?
 だめだ、この服はレンタルなんだし。
「ラキエ、ここじゃいやだ、この格好じゃ………だめだ………!」
 ラキエは服の上から僕のモノを掴んだ。
「ここは誰もいないし、この格好でいるのはお前の勝手だ」
「あ、だ、だめだって。汚しちゃまずい………」

 それに。
 偽物とはいえ神父の服を着て犯されるなんて―――どんなコスプレだよ。

「今日はこのままだ」
 掴んだ手を動かし、服の上から擦りあげる。
「ラキエ………ッ」
 神父服のまま覆いかぶさってくるラキエの姿がすごく背徳的。ぞくぞくするくらい似合うから。
 冒涜ってこんなことを言うのか、と思う。
 でもラキエは「背徳」も「冒涜」も「畏れ」も知らないだろう。罪の意識って言葉すら………知らないに違いない。

「アシュ、オマエの色、いつもと違ってる」
 ラキエが目を細めて薄く笑った。
「そ、そんなの………しらないって」
「羞恥も快感も、いつもより強い。それと、見慣れない色だ」
 休めず手を動かしながら感じ入ったようにつぶやく。
「これもきれいだな」

 たぶんそれはラキエが一生持つことのない「罪の意識」。服に着られるって言葉があるけど、こんな場所で、こんな格好をしているせいで、僕の中に芽生えているのだろう。
「ラキエ………もうやめて、ほんとに………」
 ラキエの指が生み出す快感に僕の抵抗が消えて行く。人間が悪魔の愛撫に耐えられるはずがない。

 ラキエはいったん手を離し、裾から中へ手を入れた。足を撫で上げ、下着の中に差し入れて、直に触れる。
「あっ」
 僕はなんとか祭壇の上で身を起こそうとした。
「だ、だめ………っ」
 ラキエはすでに滲んだものがたてる音を聞かせるように手を動かした。
「いつもより早いな」

**************************************************

こういうの書いてます。
もうじき書き終わるのでそしたら小説部屋にUPしますね。
ハロウインに間に合わなかった………
テーマは「コスプレエロ」です。壮大ですね(笑)。

2006年10月31日

ライトノベルを読み終わって

アイカタちゃんがライトノベル(ラノベ)を読み終わってたようだったので「おもしろかった?」と聞くと「まあまあ」と答えた。何がおもしろかった? キャラ? 世界? 物語? と聞くと「キャラクターかなあ」。


最近買ったラノベで私が読み終わったのが 「砂糖菓子の弾丸は撃ち抜けない」「とある魔術の禁書目録」「戦う司書と恋する爆弾」。
「禁書目録」と「戦う司書」は「書」つながりで。どちらもシリーズ化されているので人気があるのだろうと思って購入。でも続きが読みたかったのは「禁書目録」。だって「戦う司書」は主役らしい人が●●ってんだもの。世界で続いていくのだろうか。
キャラクターの魅力は「禁書目録」の方があるけど読みにくい文章だった。ラノベに慣れてないせいか、見開きに必ずへんなルビがあるせいか。
そもそもルビって読めない漢字につけたり、こうやって書いてあるけどこう読んでほしいって時につけるんだと思ってたんだけど、
つけすぎ!

詳しい設定 に こまかいりゆう はまあ許そう。
こっちの世界 に オタク文化 ってルビはどうよ?
そういうのが見開き2Pに必ず1個はある。この多さ。それともこれが一般ラノベなの?
あまりラノベ読んでないからわかんないけどそれが文化なのか?

そしてなぜ女子の言葉はへんな語尾変換がされているのだ。
アニメの影響なのか。これも文化なのか。

まあでも2巻を買う気になったのはこれでどうやって話が続くのかなあと思ったためだったが
2巻目は1巻目の女の子があまり出てこず新しいキャラが出てきた………
まさかこうやって毎回女の子が増えていくのだろうか………。

とある魔術の禁書目録(インデックス)〈11〉
鎌池 和馬
4840235813

「戦う司書」は独特の世界設定がありおもしろかったしまだ読みやすかったが、やはり主人公が●●ってしまっているのでうーん。
もう一人の主人公の女性にあまり魅力が感じられなかったしなあ。
でもシリーズで続いているってことはきっとおもしろいんだろう。

戦う司書と恋する爆弾
戦う司書と恋する爆弾山形 石雄

おすすめ平均
starsまずは読もう!
starsすごい!!
starsあなたの過去に恋してる
stars構成の勝利

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by G-Tools

「砂糖菓子の弾丸」はいろいろつっこみどころがあるし勢いで書いたというのはわかる。
主人公のキャラクターに好感が持てた。
あと表現がうまい。やられたって思うところもあって自分の作品をかえりみちゃった………。
全体的にはキモチの悪い世界だったけど。
この人の本はあと2冊買ってあるのであとで読んでみよう。

砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない
砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない桜庭 一樹 むー

おすすめ平均
stars痛々しい感性
starsライトノベルにできること
stars臓物を見た
stars読み進めるにつれて・・・・・・
starsこれは痛みの物語。

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by G-Tools

ところで小説は「お話」「キャラ」「世界」の3つでできていると思ってたんだけど、それプラス「テーマ」というのを最近知った。
そうだよね。
「テーマ」か。

………壮大な話だよね。

2006年10月27日

小説部屋大幅改造

今までレイアウトが読みにくいなあと思ってた小説部屋を大幅改造。
それと同時に
「課長はぷちマゾ」「おじいさんの薔薇」「窓の中」「アイシールド21小説」「ソウルハッカーズ小説」「魔王さまと僕シリーズ」を収録しました。
「魔王さまと僕」は実はゲーム部屋からしか行けなかったんですよ。

「課長………」はマガジンマガジンの「itsBOYsLOVE!」というそのまんま!という雑誌に掲載されました。もう直接表現です。でもお話はかわいいものです。エロだけど。こんな短いのにおもいきりエロだけど。でもかわいい。

「おじいさんの薔薇」は賞をもらった童話です。
「窓の中」は投稿したけど没になったホラー。

社会人モノの中にキリリクの医者もの「君に恋をしている」収録。

画面がすっきり読みやすくなったのでまた覗いてみてください。

マガジンマガジンのピアスの編集さんから「ダークマン2」のデータも送ってもらったのでそのうち乗せます。あと小説アクアの「笑顔の見つけ方」もデータが届き次第乗せたい。

それと昔JUNEで掲載されたハーレクインロマンス風の記憶喪失ネタのFDもあるそうなので、それもなんとかしたい。
っていうかキャノワードをPCで読み込めるように変換するソフト持ってる方いらっしゃいませんか?
けっこうワープロ時代の小説があって………。

2006年10月15日

小説部屋

小説部屋に以前小説シャレードにかかせてもらった「アクマな恋人」をUP。
これは「魔王さま」を商業誌で書きたくて趣味に走った作品。
商業誌としてはファンタジー設定だったので失敗したか、アンケートがよくないと言われた。でも自分では好きな作品。

その時々の好きなものが小説の中に現れる。

たとえば小説部屋の中の「愛の一雫」。
これは当時「鉄鍋の醤(ジャン)」という作品が好きで中華料理を舞台に、そして、タイトルは忘れたけど三上博史が主演の俺様な指揮者もののドラマが好きだったので(ジャンも俺さまだったな)、俺さまな主役を書いてみたらすごくいやなやつになってしまった。
このいやなやつが実はさびしんぼうの情けないやつだって書くのが楽しかった。

「ブルーラビリンス」は浅見光彦が好きだったので………つまり光彦と陽一郎さん。
「スーツの玩具」も光彦と陽一郎さん(笑)。
サイトに収録してないけど「いつか君に書く手紙」はV6の森田くん×坂本くん。
「王子さまは白馬にのって」は剛と光一。
「笑顔の見つけ方」は號きゅんみたいなキャラが書きたいというだけで。

まああまり趣味に走るのもなんだけど、全部が全部そういうわけでもないので勘弁してください。

スーツの玩具
六本木 曜
4756731678

2006年09月20日

大慌て

AMAZONでアソシエイトというのに参加している。
自分のブログで紹介した本やDVDが売れれば紹介料がはいってくるアレだが、
リンクの作成を「G-TOOLS」というので作っていた。
それがどうしたことか6月くらいから自分のIDを入れ忘れていた。
つまりいくら紹介して見ている方がクリックしてくれても
私に紹介料がはいってこない!!

今日気づいてあわてて6月以降の商品写真にIDを挿入。
うわあ、あぶなかった。

というわけでようやくAMAZONでも「眠れない二人」が掲載されました。

眠れない二人眠れない二人
白城 るた

by G-Tools

書店では今日マンガの森池袋店で見かけた。
よろしくおねがいしまーす。

2006年07月22日

最近の本

小松左京「SF魂」「日本沈没」吾妻ひでお「うつうつ日記」飯塚 訓「墜落遺体」コミケカタログ購入。
小松左京は大学生の頃よく読んだなあ。かなり影響された。考え方もだけど文章も。読みやすくテンポがいい。わたしの小説にダッシュやリーダーが多いのは小松左京のせいかもしれない。長編よりは短編が好きだった。長編で読んだのは「日本沈没」「見知らぬ明日」「こちらニッポン……」「果てしなき流れの果てに」「首都消失」。
でも内容を覚えているのは「沈没」と「ニッポン」だけだったりする。

SF魂
小松 左京
4106101769

SFの創世記とSFが熱く燃えていた時期を体験、作り上げた著者の迫力に満ちた回想。小松左京のように小説を書いて生きていけたら楽しいだろうなあ。そういえば私は子供の時からSF漫画や小説に親しんでいたけど、オタクになったのはたぶんスターログが創刊された頃、意味もよくわからずそのかっこよさとこう、なんだかもやもやとする心地いい流れに身をまかせた結果だ。SFが一番力を持っていた頃だったのだから、ある意味、不可抗力である。
日本沈没はカッパノベルス版を持っていたはずなんだけどどこへいったかわからないので小学館文庫を再購入。これから再読しよう。そしてうまうまと小松左京ブームがわたしに到来。「復活の日」と「さよならジュピター」を買いに行ってしまうのは明白だ。

うつうつひでお日記
吾妻 ひでお
4048539779

「うつうつ日記」は最初の数ページの描き方がよみにくい。たんたんとしたメモのような日記だが、最後に著者が持ち込んでいた「夜を歩く」という原稿が「失踪日記」となったことがわかると、その出版の過程を知りたくなってもう一度読み直してしまった。
白夜書房から他社の出版物の売れ行きが悪くて本にならなかったこと、イーストプレスから連絡がきてたけど気づくのが遅れたことなど日常の隙間にぽんぽんと描いてある。

白夜は営業の力が強いから他社で成績が悪かったらまず出してくれないだろうけど、出していればいまごろ……と歯がみしたことだろう。このうつうつ日記を読んで白夜の上層部が悔しがるかもしれない。いいかげん、ニッパントーハンという大手流通会社も、数字だけでなく、中身を見るようになればいいのに。
そういえば読売新聞に「賞に入賞したはいいが本が売れなくて結局また別な賞をとる」という漂流作家が増えていると書いてあった。賞をとる力はあるのに出版した本が売れない。でも賞を取る、ということは読む力のある人や編集が面白い、と思ったはずだ。だから2冊や3冊の売れ行き不振に耐えて作家を育てるべきなんじゃないかと思うが、最近の出版社はいますぐ売れる人が欲しいのだ。賞を取る、本が売れる、シリーズ化する、アニメやドラマや映画やグッズになる、こういう一連の流れを編集も出版社も、たぶん作家も願っているのだ。で、売れてどんどんシリーズをかかせてつまんなくなっていて、作家も別なもの書きたくても書かせてもらえなくてつまんなくなって、で、かげりが見えてくるとようやく新作が出て、それが売れなかったらあっという間に忘れ去られていく。
この方式は角川春樹が元気だったころの角川書店のやり方で、大騒ぎしてフェアをやったあと、まるでその作家はいなくなったかのように思えてしまう手法だった。

まあこんな片隅で書いていても売れない作家の愚痴のようなものだが、わたしの作品ももうちょっとなー、売り方をなー。玄人受けはするらしいんだけどなー(笑)。「函の中の楽園」はやっぱりティーンズルビーじゃなくてスニーカーで出して貰いたかったなあ……。
「墜落遺体」は夜中の3時過ぎに2、3ページ読んだらひきずりこまれて眠れなくなりそうだったので、もう少し体力のあるときにまたゆっくりと。コミケカタログもね。
ああ、コミケカタログは南国のビーチでチェックしたいというのが長年の夢なのだ……。

2006年06月24日

宣伝

本業でBL作家などやってますが、最近携帯電話でBL小説が配信されるようになりました。私は携帯はインターネット契約をしてないので見られないのですが、よかったら読んでやってください。

urlは http://b-paradise.com/ez/

もしくは http://b-paradise.com/

★メニューから
EZTOP > カテゴリーからえらぶ > 電子書籍 > 小説・文芸
だそうです。自分で画面を見れないのでよくわからないのですが。
PCで紹介しているサイトは
http://blog.livedoor.jp/bparadise/
なので説明をみてやってください。

1クリックでBL作家を一人救ってやってください。

作家名は「白城るた」
作品はいまのところ
●「眠れない二人」 (お金持ちの砂を吐くようなフランス人青年と高飛車な日本猫のゴージャスラブ・大学生・年上受け)
●「夜明けの鳥」「アイドルを見るな」 (不思議な力を持ったオレ様な幼なじみに振り回される僕。二人の出会う不思議話・高校生もの)
●「銀の闇の彼方」 (記憶を奪われ売春宿で凌辱される銀の髪の少年、救いにきた黒髪の青年とともに閉ざされた世界の謎にせまる・異世界もの)

の四本です。
どれもちょっと一味違う作品になってます。

よろしく~。

2006年05月24日

ちょっと恥ずかしいんですが。

なんかアダルトメールみたいなタイトルですいません。

実はですね。
今年の1月、私は非常に暇だったんですよ。
で、いろいろと懸賞小説とかに応募してみたんです。
まあね、そんな簡単なものじゃないし、とらぬたぬきだろうと。
それにどれもこれも10枚以内で1日で書けるものって決めて書いてたんですよ。

そしたらですね。

なんと。

1本、通っちゃったんですよ。最優秀賞。

あらー、びっくり。

http://www.yousei.info/happyou.htm

「おじいさんの薔薇」ってやつなんですが。

よかったら読んでみてください。

ちなみに最優秀賞は審査員の意見がわかれて2本なんです。
電話をくださった宇都宮の職員の方からは審査員長の立松和平さんの強力なプッシュで、とのこと。
………もしかしたら他の審査員全員が反対で立松さんだけプッシュしたのかなーと余計なことを。
本になるかもってことなので、もし出版されたら買うように。特に栃木県の方ははよろしく。

2006年04月07日

BL業界震撼

いや、あのビブロスが倒産?!

噂されてはいたものの、噂から倒産まで早かったなあ。
でもかの大陸書房よりはいいか。大陸書房は社員が出社したら会社がなかったという話だから。
あのときもかなりのBL作家・エロ作家が途方にくれたらしいけど、今回もBL作家・エロ作家、そして編集が途方にくれるだろうなあ。
編集者は編集者しかできないっていうけど、でもビブロスの編集は大丈夫なのかな。みんな若くて美人で編集じゃないから一般企業も大丈夫だろう。
ただ問題は作家の方で。
作家ってのは編集の持ち物でもあるわけです。その編集から依頼がなければ仕事がないわけです。作家は編集を通じて出版社とつながっているわけです。
だから担当編集がうまいこと他の編集部に就職できればまたお呼びがかかる可能性もあるけど、編集がずっと編集の仕事をしなければ、あるいは編集をやめてしまえばそこで出版社とは縁が切れるわけです。
作家という職業は才能の他に運もかなり影響するので、ここで自分の運をめいっぱいかけなければなりません。

ビブロスはBLとエロをなりわいにしてて、BLとエロを書く人は世の中に掃いて捨てるほどいるのです。なので一部のBLとエロ作家が見えなくなったところで世間にはなんの振動も与えないわけです。
まあ比例して新しいBL本とエロ本は続々と生まれているのでうまくいけばひっかかるかもしれないけど、この漁法は地引き網ではなく一本釣りって感じだから、なかなかむずかしいところですね。

……今回の日記はまったくオチもなく、もうしわけない。
ビブロスからは以前1冊だけだしてもらった。
もう古本屋にしかないと思うけどアマゾンにもあったのでよろしく~。

4882717786小鳥ちゃんパニック
白城 るた
ビブロス 1998-03

by G-Tools

2005年04月23日

へんないきもの

部屋をかたしてゲームをいじって、それからジュンク堂へ。
「らぶろま④」「ブラックジャックマガジン」「へんないきもの」購入。

……へんな本が2冊はいってますね。

「ブラックジャックマガジン」はヤングチャンピオンだかで連載してた、今の漫画家が手塚治虫のBJを描いたら、という企画モノの総集編で、コミックスが出るだろうと思ってたらB5の雑誌形式でしたよ。アフタヌーン並の分厚さ。
いやあ、噂の青池保子のBJや立原あゆみのBJが見られました。すげーや。永井豪はとっても手塚治虫に絵が似てるんだけど、サファイアがヌードになると体つきが永井豪でひわいな感じだった。
次号、つりばか日記の北見ケンイチのBJが楽しみです。わたしは「さいとうたかを」か「三浦健太郎」のBJを激しく熱望。

「へんないきもの」は……
実在するへんないきもの紹介本で。
説明の文章とクールだけどユーモラスな絵のハードカバー。でもイラストはカラーでも見たかったな。
へんないきものっていうか、深海系が好きなワタクシ。なかでもクラゲとチューブワームLOVE。
クラゲはずーっと見てても飽きないし、チューブワームはその独特の生き方が好き。

はじめてチューブワームを知ったのは、80年代にさかんにつくられた深海パニックもののたぶん「リバイアサン」。
映画の冒頭で深海基地のまわりに巨大なビルくらいの筒状のいきものがのたくっていたのを覚えてます。映画の内容はぜんぜん覚えてないし、まあ予算はかかったわりにB級だったらしいんだけど(でも「ザ・デプス」とまちがっているかなあ)あのワームだけですごくいい雰囲気を出してたと思う。

で、しばらくして読売新聞でチューブワームについて書いた本が出てこれが学術書のわりにおもしろいとかいう書評があって、

本屋行って見てみたら……しんかい6500に乗ってチューブワームの巣を探しに行く科学者の話で、チューブワーム自体の魅力もさることながら、この潜水艦で巣を探す過程がすげ、おもしろかったんだよね。
作者は長沼毅さん『深海生物学への招待』。一部ではけっこう評価の高い本で(一部ったら一部だよなあ……)次の本はいきなり宇宙へ飛んでエウロパに生物がいるとか主張する本らしい(読みたい)。
チューブワームtubeworm.jpg

チューブワームは海底火山の火口に棲んで、消化器もない生物。どうやって生きているのかというと、体内にバクテリアを飼っててそいつに硫黄やら二酸化炭素やらを渡し、その見返りにバクテリアは硫化水素などをエネルギー源としてチューブワームが利用できる有機物を作り、チューブワームに引き渡している……。

すごいなあ、とか思うわけですよ。なんか私のツボにはいったんですよ。
で、このチューブワームを主役にビブロスのビーストに書いたのがメモリーオブラブ(違うって)。
いや、チューブワームをガニメデの環境を変える生物に改造したらそれが狂暴化して、とかいうシーンを書いたんですね。BLにあるまじき行数でかなりくわしく。できればイラストまでつけてもらいたいと思ってFAXや本まで渡したと思うんだけど……描いてもらえなかったけど……(当たり前)。そのとき深海生物学への招待も渡してないかなあ、家に見つからない。

まあそんな生き方に惹かれてチューブワーム好きなんですが、このへんないきものの中では「ハダカゾウクラゲ」がおもしろいですね。
ハダカゾウクラゲhadakazou-k3.jpg

写真がそうなんですが、生きている胃袋みたいですよね。クラゲじゃなくてマキガイの一種だっていうのも人を食ってますよね。あとクマムシってのもおもしろいんだけど、おもしろいのはクマムシを愛する人たちの方がおもしろい。
こちら にクマムシリンクがあって世界中のいろんなクマムシの写真とか紹介してるんだけど、かわいいクマムシ電顕写真だのクールなクマムシ電顕写真だのかっこいいクマムシ電顕写真だの、もうクリックせずにはいられないです。(注意:クマムシは100年生きる微生物です。ダニをかっこよくした感じ?)

そんな本を買って、さあジュンク堂の喫茶室で読もうと思ったら、なんとそこでトークショーが行われるからって閉店。しかたなくスターバックスへ行ったら(スタバは嫌いじゃないけど紙コップが嫌いなんだよね)満員、やれやれ、ヤマヤの近くの感じのいい喫茶店に行くかと思ったら土曜は早めの店じまい。行ったことないけどあのクラシカルな喫茶店へ行くかと思ったらそこは定休日。

……わたしにコーヒーを飲ませない気か?!

けっきょくいつものシアトルベスト。ここも紙コップ……。
まあでもそこで漫画といきものをねぶねぶ読んでいたら隣の女子の会話がふと耳に。
「アタシ最近BLにもメンエキできちゃって」
コーヒー吹くかと思いました。

いや、BLって言ってる時点でもう浸っているから。

へんないきもの
へんないきもの早川 いくを

おすすめ平均
stars首筋がもぞもぞするこの感覚・・・
stars肩の力を抜いて読んでください
stars損は無いと思います
starsグーグルしながら読むと最高!!
stars地球はワンダーランドっっ!!

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深海生物学への招待
深海生物学への招待長沼 毅

おすすめ平均
stars生命の起源へ
stars未知なる領域「深海」への招待
stars読みやすさの工夫満載
starsノンマルトの使者

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2005年02月09日

「超短編」小説コンテスト

ネットサーフィンをしててふと見つけた募集要項。
「超短編」小説コンテスト。入賞するとハードカバーの本にして出版してもらえるらしい。原稿用紙二枚。WEB送信OK。

まあそのときヒマだったわけですよ。二枚程度ならとさくっと書いてみて送ってみました。もちろん普通の(笑)話です。

で、忘れてた頃に手紙がきまして。

入賞です。まあ、本職ですから入賞しないと恥ずかしいわけで。
「ふんふん、入賞か。大賞じゃないのか、ちっ」(←ずうずうしいてすね、二〇分ほどの作業で)

で、その手紙を読んでみるとですね。
出版するには一人二万円出せと。

なるほどね。

世の中うまいぐあいにはいかないわけですよ……。

2004年12月03日

グレッグ・イーガン

 古い知り合いで猫を愛する優しい翻訳者・山岸真さんの、
 SFの巷では同一化が進んできたともっぱらの噂の
 グレッグ・イーガン「万物理論」はハヤカワ文庫。
 京大で行われたSFセミナーでは「サルでもわかる万物理論」と
 いう講座もあったということで、読む前にそれを受けたかった
 かもしれない。
 ハードSFに浸りたい人はぜひ。




2004年12月01日

根暗野火魂


 九州の耽美作家・野阿梓氏から氏推薦の異能耽美作家の作
 品集が送られてきた。
 juneに連載されていた短編を纏めた文庫で、作品は昨今の
 BLとかやおいとかいうものとはかけ離れた、まあ美少年がいろ
 いろと異形なものにとにかくめちゃくちゃ玩具にされるというグロ
 というかエロというか人間の想像力は果てがないなあというか、
 とにかくエロです。
 3枚の薄い宝石板に口だけとか乳首だけとかペニスだけとかアヌスだけとか、
 とにかくついててそれは一人の少年のもので、どんなふうな愛し方もできるというのが
 けっこう面白かったです。
こういうマイナーな人は個人的にも応援したいので宣伝。とにかく少年を陵辱した話しを読みたい人はどうぞ。
新風舎文庫・淀川乱歩作「根暗野火魂(ネクラノビコン)」

2004年09月16日

珈琲党奇譚

 阿刀田高の「珈琲党奇譚」。
 相方に言わせると文章は面白いのに話が面白くないとのこと。
 いや、私結構好きだけど………。
 文章面白いのにオチがなかったりするのは川端康成の「掌の
 小説」という大好きな短編集がある。
 それとは全然匂いが違うけど、まあそんなに悪くないと思うの
 は私が珈琲好きだからだろうか。




2004年09月10日

暗黒館の殺人


 八年ぶりにアヤツジの館本がでましたよー。
 その間は「館」のゲームくらいしかやってなかったんですが
(「YAKATA」は面白かったけどエンディングが納得イカーン!
 それともあれはバッドエンディングなの?
 「YAKATA」ってクリアした人はエンディングを教えて下さい。
 最初に戻るってアリ?!)。

 しかし!
 ノベルス1冊1500円、上下2冊で3000円ってどうよ!
 3000円だして「鳴風荘」だと悲しいしなあ。「霧越邸」でも私は困る。
ミステリというか小説というものほど人の評価が当てにならないものはなくて、私は「霧越邸」はだめだったんだけど相方は大好きだし、マヤユタカの「翼ある闇」と「夏と冬のソナタ」を比べたとき、私は「ソナタ」が面白かったけ相方は「翼」と真っ向対立。
でも八年ぶりの館本で人物紹介頁にこなん君とししやさんの名前を見たときうれしくて思わず書店でにやついてしまった。
思えばハッカーズの主人公x桜井にはまる前はこなんxししや一途だったものなあ。その前は陽一郎x光彦だったけど。
でも今すぐ買うとアヤツジを週間ベスト10に入れてしまいそうでそれは悔しいからもうしばらく様子を見よう………

2004年06月30日

博士の愛した数式


 「博士の愛した数式」というハードカバーの小説を買う。
 本屋さんが売りたい本第一位という帯に引かれ店頭で手にとっ
 て読み始めて……いかん! このままでは店頭で読了する!
 と急いで購入。おもしろかったぜ。

 頭の中の記憶テープが80分しかもたない数学の天才博士と
 家政婦とその息子の話。
 博士と息子が魅力的。スパイスの野球がまたいい味を出している。
 野球がからむ小説は村上龍の「走れタカハシ」くらいしか読んでないのだけど、
 あれに似たさわやかさ。
 そして「ドライビングミスディジー」に似たほろ苦く暖かな感じ。
 野球カードにまつわるオタク的な情熱や「自分は80分しか記憶できない」と毎朝自覚
 しなければならない博士の絶望、博士の語る美しい数学の世界。なによりロマンチック
 に語られる数式の数々。
 とりあえず見かけたら最初の数ページを読め。
 五分後にはレジに並んでいるだろう。

2004年06月12日

梅原克文


 今日は古本屋で梅原克文のカムナビ上下で600円を買う。
 梅原は「ソリトンの悪魔」というノベルスが好きだった。
 いや、文章めちゃくちゃ下手なんだけどね、読ませるんだよー。
 うわあ、読みにくいー、とか思っているけど、話と勢いで読ませ
 ちゃう。
 「カムナビ」はタイトルから察すると古代日本の秘密がなんだ
 かんだだろうと思うが。
 古代日本ってテーマとしては好き。
 「イティハーサ」も「暗黒神話」も好きな私としてはぜひ押えたいが、きっと梅原は古代日本をめちゃくちゃにするんだろうなあ。気力が充実しているときに読みたいものだ。

2004年06月09日

恩田陸


 恩田陸の「三月は深き紅の淵を」を読む。
 この人の話は「6番目のサヨコ」「光の王国」「球形のなんとか」
 と何冊か読んでいるのだが(タイトルはいい加減です、すいま
 せん)、いつもどうもこうも腑に落ちない。
 タイトルは意味深で粗筋もオモシロそうで手に取るんだけど、
 最後まで読んで脱力した手から本が落ちる。読んでいる途中
 は魅力的なんだけどなあ。

 「三月」は4章から成っているんだけど、一章目は面白かった、3章目も面白かった、
 しかし2と4はどうなの? 特に2はちゃんとしているのに。なぜアレが書いてないの?
 (この先はネタバレになるかもしれないので読むつもりの人は読まないように)

幻の本の作者を探すという話だけど、最後の種明かしで娘二人の生まれ月をペンネームにした、というヒントが出てくるところ、そのヒントが出てくるまでにそのペンネームがどこにも出てこないのはおかしい。ちゃんと「●●□□」というペンネームが出てきてないと、最後の種明かしのところで実は彼女の名前であった、というカタルシスが感じられないじゃないか。それに娘は二人いるのに、主人公は一人の娘しか追ってない。読み返すと非常に不自然だ。いや、読んでいる時から違和感があった。「二人の娘」というヒント、なのに主人公が会いに行こうとしているのはその娘のうちの一人。娘の存在を調べて一人の娘が出雲にいることをつきとめたのなら、なぜもう一人はつきとめられなかったのか。たとえば「もう一人はわからなかったんですよ」というセリフが一つでもあれば納得できるのに、頭からその娘の存在を消したとしか思えない。だから最後にその消された娘が実は「▼▼」だった、と出てきても納得がいかない。

────納得がいかない。

恩田陸の今まで読んだ小説はそうなのだ。腑に落ちない。納得できない。そして4章はこれはもう納得させる気がないし、こっちもちゃんと向き合う気がおきない。ああそう、としか言いようがない。
これは私の読み方だから、しょうがない。相方にも言われた。るたちゃんは好きな話じゃないだろうとも。確かにお話として結末がオチてないと私は好きじゃないので、私は4章は駄目だ。しかし二章は………二章は多分勿体無いと思っているのだ。ソコさえ納得させてくれれば面白いのに、あからさまに隠された、消されたもう一人の娘、読んでいて気づくよ、読者は。へんだって。そこがオサマリが悪く私をイラつかせる原因になる。

ミステリじゃないから、と相方は言った。ファンタジイだから、と。

ミステリの謎が氷解したカタルシスを期待してはいけないのだと………

あ、わくわく度なら「六番目の小夜子」が一番だな。

2004年06月06日

ガリバーパニック


 楡周平「ガリバーパニック」。
 むかーしの漫画で「巨人獣」というのがあって、最近ダイドー
 100円ショップで復刻したけど
 その小説版のような話。
 巨人獣は日本政府から攻撃されたけど、こっちのガリバー
 は日本の景気回復に一役。
 巨大な人間があらわれた際の経済効果について面白く描かれている。



2004年06月03日

脳男


 首藤瓜於「脳男」。
 ハードカバーのときから文庫になったら買おうと思っていた。感
 情がない人間の話。
 感情のない彼が殺人を犯す動機がいまいち弱いが脳男がな
 かなか魅力的なキャラクター。
 ある意味、感情がない、ということに私たちは憧れている部
 分がないだろうか。
 感情がなければいいなあ、と思うことだってないとはいえないし、感情がなければ人間ではないとか言いながら、そういう人間を超人間としてみてないか、あるいは超人間として期待しないだろうか?

2004年06月01日

火星の土方歳三

吉岡平さんの本。タイトルに爆笑。おもわず買っちゃったよ。
古式ゆかしいヒロイックファンタジイ。イラストは末弥さんじゃなくてこのさい島本和彦とかがいいなあ、という感想でどういう話かわかってもらえたと思う。

2004年02月09日

天使のたまご

 押井守さんの「イノセンス」というアニメ映画が公開されている。
 それにあわせて以前押井さんが作った「天使のたまご」が再評
 価?というかいろんな「天たま」関係の本が再発行されている。
 その中で天野喜孝さんが絵を描いている絵本「天使のたまご
 ──少女季──」。
 文章が不肖わたくしなんですよ。
 再販されても原稿料なんかはいんないんだけどな!
 再販の報告もこなかったけどな!

 でも美しい絵本なので機会があれば手にとってみてくださいね。


2003年08月27日

篠田節子

 田舎に帰っている間、篠田節子の「聖域」を読み返す。
 やっぱり面白い。
 行方不明の作家を探す話だけど、その合間の「作品に取り憑
 かれた」男たちがただのミステリーにはしていない。
 同じく篠田節子「アクアリウム」。
 地底湖でであった不思議な生き物に取り憑かれた男。
 そういえば篠田作品のキャラはみんななにかに取り憑かれて突き動かされているなあ。


2003年06月20日

黄泉がえり

 梶尾真治「黄泉がえり」
 前に読んだ「おかげ」が最後まで読んで「これがオチかー!」と
 怒ったことだけを覚えている、という作品だったから読もうかど
 うしようか迷ったんだけど、やっぱり終わりがいまひとつうな
 ずけない。
 これはSFではないと思う。
 映画は評判よかったみたいだけどね。




2003年06月10日

イエスの遺伝子

 マイクル・コーディ「イエスの遺伝子」
 死に至る病の娘を救うため、死からよみがえったというキリスト
 の謎に挑戦する科学者の父親。
 娘を助けたい一心でとても強引な仮説を実践する。

 最初はつまんなかったけど、細胞の活性を促すイエスキリスト
 (奇跡の遺伝子)を探し出し始めるあたりから俄然面白くなっ
 てきた。
 遺伝子発見後、それの活用方法がわからない、しかし最後の手段で主人公がとった行動が決め手になる、という逆転モノ。

2003年05月10日

豪腕作家?


 今日、アルパの古本市でイチマンエンの「幽霊名画集」という
 箱入りの画集を見つけた。1万円……。中怖いんだろうなあ。
 「怪談・霊安室のなんとか」斉藤澪・著というノベルズもあったけ
 ど、何が怖いって見返しの著者近影が………はわわ。
 で、結局買ったのは「奇跡審問官・アーサー」という柄刀一の
 講談社ノベルス。
 帯には「島田荘司を継ぐ」って。どれだけ豪腕なのか楽しみです(笑)。



2003年05月07日

ナチュラルクリーニング

うちでは生協で食品をとっている。
その中に「ただの炭酸水」という缶いりの飲み物があって、名前のとおり本当にただの味のない炭酸水なんだけど、梅酒をわったり、ジュースをわったりカルピスを割ったりしている。
まあ相方が炭酸水好きなんでとっているんだけど(安いし)、ただ、ときどき残る。
残ったらどうするかというと100円ショップで買ってきたスプレー容器に入れて窓磨きに使用する。
炭酸水というのはガラス製品の汚れ落としに非常にいい、と「ナチュラルクリーニング」という本に書いてあった。

 「ナチュラルクリーニング」は既製品のクリーナーを使わず家を
 きれいにしよう、という趣旨の本で、台所を磨くにはクエン酸、
 お風呂の掃除には重曹や石鹸を使おう、と提唱している。
 で、炭酸水。これがキレイになる。スプレーして拭いた時には
 なんか曇ってるみたいにみえるが、じきに 透明になってピカ
 ピカ。炭酸水が残るたびにこうして磨いている。

 ……私が窓磨きなどをするときは現実逃避なんだけど。小説が進まないとかさ。

今日なんかついでに台所の水回りのステンレスを磨いて三角コーナーまで磨いた。うちの三角コーナーは銅製なのですぐに色が悪くなるのだ。しかし色が悪くなっても銅はぬめりや匂いがしないのでいい。
前のプラスチックのはいつもぬめぬめしてた。銅製品やステンレスを磨くクレンザーで磨けば銅本来のピカピカした赤い色に戻る。
ちなみにおふろはマツモトキヨシで箱入りの重曹を買って、床や浴槽に振りかけてバスブラシで磨く。箱入りのままだと使いにくいので、小さなお茶のペットボトルに移しかえて使っている。ほんとはお塩の瓶とかの方が振り掛け易くていいらしいが。
クエン酸はまだ試していないが、水回りを掃除する既製品もやはり「お酢」を使用したティンクルという洗剤だ。食べ物を調理する場所だからなんか合成洗剤はいやでさ。ティンクルは使用した後台所がなんとなくお酢の匂いになるが、食べ物の匂いなんでじきに消える。

こんなわけで休日はお掃除をして過ごした。通販のカタログハウスから桐の米びつも届いたし、さあ、きれいになったところで仕事だ。

2002年12月03日

暗いところでまちあわせ


 乙一さんの文庫を買う。
 書き下ろしの「暗いところでまちあわせ」。
 面白い。くそ、泣かされてしまった。
 男版宮部みゆき………。失礼か。








2002年11月15日

七人の証人

西村京太郎の「七人の証人」を読んだ。
目が覚めたら絶海の孤島にいた十津川警部。そこは映画のセットのようにある街の一部が作られていた。そして他にも七人の人間が、わけもわからず集められてて………そして一年前の殺人事件の真相があばかれてゆく。
この七人には共通点があるのだが、まあそれは読んでからのお楽しみってわけで、面白かった。西村京太郎は本当に安心して読めるなあ。特に初期のものはいい。この「七人の証人」はトラベルミステリーではない分、あまり知られていない作品らしい。映画とかにすれば面白いのに。法廷劇とか好きな人におすすめ。最後のばたばたばたっと話がすすんでいくとこなんか、目が離せませんね。久々にいいミステリーを読んだ。

七人の証人
七人の証人西村 京太郎

おすすめ平均
starsコレは傑作ですね!!

Amazonで詳しく見る
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2002年11月09日

ブレインバレー

 瀬名さんの「ブレインバレー」を読んだ。
 脳とかコンピュータとか人工生命とか神とか宇宙人とか、いろ
 いろ入り乱れて混乱。
 学術的なところはほとんど斜め読みなのできっとちゃんと理解
 してないまま終わった。
 理解してないと言うのはどういうことかというと、結局主人公の
 言葉や思想を自分の中のオチとしているところだ。
 つまり主人公のタカオカが、「こうこう、こうであろう」とか「こうこうこういうことか」と思っていることが、自分の中で結末になっているわけ。
 でもこういうんじゃなくて、タカオカの言葉をヒントとして、「これはもしかしたら、こうこうこういう話だったのでは」と納得しなきゃいけないんだと思うのね。
 でもむずかしくてできないの。

 ここからは「ブレインバレー」のネタに係わるので、未読の人は飛ばすように。
瀬名さんは前にも短編で、ある物体を調べて情報を集めることができるなら、逆に情報を集めてある物体を構築することができるのではないか、という話を書いていたけど、もしかしたらそれを膨らませた話なのかなあ。その時は「悪魔」だったけど。
「ブレインバレー」では「神」を作りあげるために人間を進化させたのではないかと、主人公は畏れを抱くわけ。こういう考え方は今までにもなくはないけど、現在の科学や医学や精神学や情報学でリアルに見せることができたのは大きいと思う。まあ読んでも一体何がどうなってそうなるのかは私の頭では理解不能だけど。