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映画 アーカイブ

2004年12月08日

SAW


 「SAW」という映画を観て来ました。
 映画館の前のポスターを見てもさっぱり内容のわからない映
 画です。
 古ぼけたバスルームに二人の男が対角線上に鎖で足をつな
 がれ、真中には自殺死体がころがっています。

 ………たぶん、こういう状況から逃げ出す映画なんだろうな、とまるきり知識をもたずに観にいったら………いやー、サイコサスペンスっていうんですか? 異常な犯人の仕掛けた罠にかかった二人の男の極限の話で、もうこの犯人の異常ぷりというか、残酷性というか、有名な「羊たちの沈黙」のレスター教授も裸足で逃げ出す(言い過ぎか)というか、とにかく、始まりから終わりまでまったく心拍数が変わらずバクバク言いぱなし。観終わったら長距離走ったみたいに疲れてました。気の弱い人はダメです。心優しい人も観ては行けません。カップルも多かったのですが、見終わった後みんなげっそりしてました。おんなのこ3人組は立てないようです。

もうほんと、展開が読めないというか、「医者がなんで気づかないんだよ」とか「いや、あんたそれで六時間は無理だろう」とかつっこみどころも多いのですが、そういうのは観終わって1日くらいたってから出る感想で、観ているときはもう何も考えられずにその怒涛の展開に飲みこまれました。ネタバレになるので詳細は書けませんが、キャラクターは医者とカメラマン、その彼らが片足ずつを太い鎖で太いパイプに繋がれている。距離は離れている。真中には自殺死体。カメラマンには「この状況から逃げ出せないと死」、ドクターには「カメラマンを殺さないと家族が殺される」というメッセージ。制限時間は六時間。二人は最初協力して脱出方法を探すのだが………。

もちろん映画なのでそのバスルームだけでなく、二人の過去やドクターを待つ家族の危機、犯人のこれまで犯した犯罪、それを追う刑事たち、とシーンはいれかわり飽きさせません。しかしすぐに人間に向かってぶっぱなすくせに、人を助けるために機械を撃つということをなぜすぐに思いつかないんだ、やつらは。お前らの銃は人に向けてしか使えないのかと小1時間。
あまりあちこちで広く上映しているわけではないのですが一〇月からずーっと公開しているのだからそこそこ人気はあるんだろうな。

スリルとサスペンスを求めたい人にはオススメ。
私は心臓の鼓動が止まらなくて、映画を観た後相方をむりやりさそって酒を飲みに行き、ムール貝を食べて日常の話をして、なんとか落ちつけたよ。ふう。

そうそう、二人の手持ちのアイテムは「糸ノコ」「着信専用携帯」「小型カセットレコーダー」「犯人のメッセージ入りテープ」「煙草2本」「ライター」「弾丸1発」そして自殺死体の手に「銃」。
鎖は糸ノコでは切れません。切れるのはもっと柔らかいものです………あああああ。

2004年12月06日

ゴジラファイナルウオーズ


 生頼さんの見返りがかっこいいゴジラのポスターで観にいきたくなった
 ゴジラファイナルウオーズ。
 巷の評判は非常に悪く、デビルマン並とも言われていましたが、いや、
 けっこう面白かったですよ。
 怪獣映画かといわれればどうよ、というところもあったけど。仮面ライダーになりかけてたけど。
監督は果たして怪獣映画を撮りたかったのか、マトリクスを撮りたかったのか。
まあ伊福部音楽じゃないというところで既に魅力は半減してたんだけど、OPでゴジラのテーマをフューチャーしてたのはよかった。できれば轟天号が出撃するところも轟天号のテーマをアレンジしてほしかった………

でもかつてゴジラと闘った怪獣たちが次々と出現するところは面白かったです。
アンギラスが上海で暴れまわるところがかっこよかった。
またさほど期待しなかったカマキラスがダークホース的によかった。
あれは昆虫怪獣なので着ぐるみは無理だから吊りとCGなんだけど、羽根をぶぶぶと震わせるとことか、どかっと凱旋門の上に降り立つところとか。できれば昆虫なんだから集団でパリを破壊してほしかったな。NYに現れたラドン。以前よりスマートにかっこよく、飛ぶとその波動?でビルが破壊されていくところもけっこう凝ってたけど、摩天楼に舞い降りるシーンは初代にあわせてずりおちてほしかった。
おかしかったのはハリウッド版ゴジラ、ゴッズィーラも出演してたところ。映画では単に「ジラ」と呼ばれていたけど、こいつは最初にあっさり南極で蘇ったゴジラに倒されてしまう。「マグロを食ってたやつはダメだな」という台詞に場内やや受け。ゴッズィーラはマグロ食ってたのか。1回しか観てないから覚えてないや。あれは怪獣映画ではなかったしな(巨大生物パニックものですね)。

で、ゴジラはジャンプのヒーローのように次々と強敵を倒しながら日本に迫るわけなんですが、どうもゴジラ映画は都会に現れると町を壊すシーンがわざとらしくてあまり好きじゃない。両手を振りまわして意志をもって町を壊しているんだものな。それに比べると平成ガメラはガメラを含めてどの怪獣も「壊す」という意志はなかった。町は勝手に壊れていく。彼らには破壊の意志はない、災害に似たところが怪獣映画にしてはリアルだった。

一緒に行った人情報では監督は「あずみ」を撮った人で低予算でアクションものを撮らせると話はないけど非常に面白いアクションものを撮る人らしい。その人が莫大な予算を手にして作ったもんだから、豪華なアクションで話はないものにしあがった。大体ミュータント部隊ってなによ。ミュータントって普通の人間よりタフで身体能力があるってだけ?オートバイとぶつかっても死なないところがミュータントなのか。たんにマトリクスをしたいからミュータントにしたのか。ゴジラ映画ってどうしてこう個人が活躍するのかな?

ところでミイラとして出土したガイガンだが、それが12000年前のもの、ということで、なんか古代のナゾというとやたら12000年前のものが出てくる。12000年前というと縄文時代だ。20000年前ではだめなのか。20000年前は石器時代だった。15000年前はどうだ? 15000年前はなんと引力がいまより弱くて人間が3mもあったというからそっちのインパクトに負けるか。けっきょく文明も適当にあって、なんとなくわかっているけど詳しいことはわからない12000年前がちょうどイイのね。

2004年11月12日

ゴジラ


 実は初代ゴジラもちゃんと見たことなかったんですが、レンタル店落ちの安売りビデオで今回やっと見ました。
 ガメラよりはもっとドラマっぽくアダルトな感じでした。
 役者の演技も怪獣映画の緊迫感のなさはあまり感じられナカッタです。
 そしてやはり伊福部音楽がいいですね。
ゴジラに破壊された東京の人々が病院の廊下でうめきながら横たわっているところはちょっと新潟地震の映像とかぶさってしまいました。女生徒たちが死者を悼んで、また災厄沈静化の祈りをこめて歌う「平和への祈り」。いや、ゴジラは戦争をしかけているわけではないのだから「平和への」というのはちょっとアレなんだけど、ほぼ天災のようなものなんだけど、その歌がやはり長いんですが、つい聞きほれてしまいますね。

やすらぎよ 光よ
とく かえれかし

ただこの2小節が繰り返されるのみなんですが、切望、という感じです。「とく」は早く、という意味、「かし」は希望を表す言葉です。
ところで新潟地震で一生懸命ボランティアをする人がいる反面、その募金名義の詐欺メール、詐欺ハガキが出ているそうです。「日赤」などを名乗っているそうですので注意。まったく、恥を知らない人間は最悪です。

2004年11月08日

ガメラ

平成版ガメラが好きな私ですが、実は昭和ガメラは「ギャオス」しか見たことがなかった。一番最初のガメラはモノクロだったんですね。激安レンタル落ち中古ビデオ屋で購入。

 北極に撃墜された某国の戦闘機、なんでだか原爆を積んでい
 て、それが氷の下のガメラの眠りを覚ます………と露骨にゴ
 ジラをなぞってますが。
 しかも某国についてはいっさい説明無し。まあそのガメラが
 日本に来るわけなんですが、炎を求めて暴れまわるガメラに
 日本の英知の結集した作戦は………

 転ばせてひっくり返す。
 大爆笑。
 本気か! 本気だ! ひっくり返ってても足も出ないとはこのこと。ばんざーいだって。
 うわあ。

まあ、ガメラは空が飛べるのでひっくり返ってもちゃんと飛びあがるんでこの史上最大の作戦は失敗なんですが。
ただ見てて思ったのは平成ガメラのレギオンはなんとなく初代を受け継いでいるな、と。レギオンの時も自衛隊とNTTが強力してレギオンに立ち向かっているんだけど、ここでも自衛隊と地熱発電所が一緒に作戦を決行するという描写があって、私はこういう官民協力に弱いらしい(笑)。
とりあえず俳優さんに緊迫感はあまりないんですが、そこはもう時代の演出だと諦めて(なんで怪獣映画のキャラクターはこう緊迫感がないんだろうなあ)、それでもカメラマンが教授秘書をくどくシーンなんかはけっこうしゃれてて、デビルマンよりは面白かったかもしれない。次回はゴジラだ。

そういえば平成ガメラの時にはNTTの職員の台詞で「ISDN網がやられました!」というのがあった。当時の最先端だったんだよね、ISDN。NTTの威信をかけた世界初ISDN。うーん、時の流れを感じるなあ。
NTTがどうやってレギオンを撃退したのか知りたい人はビデオ屋へGO!

ガメラ2 レギオン襲来
ガメラ2 レギオン襲来永島敏行 水野美紀 石橋保

おすすめ平均
stars怪獣SF映画の最高レベル
starsゴジラには空は飛べない!
starsまぎれもなく日本SF映画史上最高傑作!!
stars「そら」のかなたに

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2004年10月30日

デビルマン


 幼少の頃にデビルマンに接したものはかなり心に何かを残して
 いると思う。
 デビルマンはそれまでの漫画のルールを次々と破った漫画だ
 った。
 ヒーローが虐げられること、人間が敵になること、友人が愛を
 囁くこと、神が正義ではないこと、ヒーローの死、戦闘後のあまりの静寂。
 呆然としたと思う。最後まで読んで。
 これが本当に終わりなのか信じられなかった。
 幼い私は何か見落としているのではないかと疑った。
 いろんな漫画に影響を受けてきたが、デビルマンも最たるものだった。
で、そのデビルマンが実写映画になる。今の技術だからできたのだろうが、デビルマンや悪魔はどうでもいい問題はシレーヌだ。
あの胸は………ゆるせん。
どうでもいいからもっとこうドッカンとした胸をだな!
シレーヌは巨乳ではない、確かに。しかし、やはり日本人の、アジア人種の胸じゃないんだよー。
頼むから胸………CGでいいからもう少し胸………。

というわけでデビルマンを観て来ました。
うー………ん………。

なぜ原作どおりやらないんだ!!
あれだけストーリーのしっかりした漫画ナンだからそのまんまやればいいだろうに。
明と涼の主役二人の演技力はもう出た瞬間から期待してなかったけどさ。ああ、5年早くキンキキッズでやってたらもう少し萌えられたかな。

えーと。
シレーヌの身体は顔以外CGということでした。なら胸はもう少し矯正できたんじゃないかな。漫画っぽい身体でいいから胸をもう少し。そして「シレーヌ、君は血まみれでも美しい」がなかったのが不満ー! カイムとのあの純愛のシーンがなくてなにがシレーヌか! デビルマンと結局決着ついてないし。バトルシーンも早過ぎるだけで訳わからず迫力無くてつまらなかった。同じ空中戦でもガメラなんかの空中戦の方が出来がいい。ところどころスローモーションやアニメーションは入ってて、一瞬アニメになるところとか面白くて感心したけど、あとは見せ方が人間の動体視力限界をわかってないというか。あんなスピードでバトルされても爽快感がない。

あと、ミキちゃんが襲われてクビキリダンスのあのサバトのシーンがなかったのが残念、あの子供心にものすごーくショックだった(よく発禁にならなかったよな)あのクビカリシーン、あれがあったために明──デビルマンの「人間どもめ!」という激怒のシーンが納得できたんじゃないか。あのシーンでデビルマンも読者も人間に愛想をつかした、滅んで当然、という展開になったのではないか。それがなかったからなあ。ああ、デビルマンが人間を滅ぼす、っていう図にはしたくなかったのかもしれない、映画は。人間を滅ぼすのはアクマで人間で、と。でも原作でのデビルマンの怒りも結局人間が招いたことで、人間を滅ぼすのは人間自身、というのは語られなくてもわかってたんだけど。
そして映画では人間を滅ぼすのが人間、という展開をサタンも気づいてなかったというのが納得いかない。記憶が定かではないけど、原作のサタンは、それを心得た上で「デビルマン」の存在を社会に流して人間の猜疑心を煽って自滅させたんじゃなかったかなあ。気づいてなかったんならサタンはただのマヌケじゃないか。

最後のサタンとの闘いのシーン。サタンの造形は「サタン」だと思わず「悪魔」だと思えばかっこいい(原作のあのサタンの美しさ、柔らかさを期待するとがっかりする)。で、バトルシーン、けっこうよかった。最後の原作における見開きのあの肉の塔の上のデビルマンとドラゴンの上のサタン、を再現(ドラゴンいなかったけど)もなかなかよかった。
だけどもうちょっと長く観たかったな。デビルマン軍団がいなかったのも寂しい。アクマ側はいたけど指輪物語のように一体一体をもう少しよく見せてほしかった。
ラストシーンについては一言。

なぜ、サタンが服をきているんだ!!!


あと10年経ったらもう一回、作ってください。

デビルマン (5)
永井 豪 ダイナミックプロ
4063194396

2004年10月17日

ディープブルー


 レディースデーに「ディープブルー」を見に行く。
 イギリスBBC製作の海映像。海鳥からペンギン、ホッキョクグマ
 などから渚へおりて、珊瑚礁を回って外洋に出て深海まで。
 自然なつながりで海をざっとめぐる1時間半。
 どうやって撮ったのかわかんないほど生き物に近い画像。
 巨大な鯨の尾が振られるとその煽りをどうしてくらわないのか
 不思議なほどだ。
 カメラの性能がいいのかカメラマンの腕がいいのか。
 シャチに襲われるアシカや子クジラ、大きな魚に食われる小さな魚、小熊に狩を教える母熊、三ヶ月絶食して子供を守り吹雪の中で立ち尽くすペンギン、美しいくらげの舞、光り輝く深海生物、黒煙を上げる海底火山、そのチムニーに生息するチューブワーム………
さまざまな海の生き物の美しい映像が画面にマッチする音楽と一緒に次々現れる。すごくよかった、よかったが………やはり映画館で見るよりはDVDなんかでPCやTVで見る構成だよなあ。
でも客席はほぼ埋まっていた。

2004年09月01日

アトランティス


 ディズニーのアニメ・アトランティスを見ました。
 うーん、やっぱりいくら機械が動いてもつまんない。人間の動
 きが動かないと。だからターザンの方が面白かったな。
 それにしてもどうしてディズニーの女性って美人じゃないんだ
 ろう。
 白雪姫やシンデレラのような正統派美女が懐かしい。
 そしてアトランティスは宮崎アニメの影響を強く受けているように感じたのだった。
 でも長野博はけっこう上手に声をあててたなあ。

2004年08月23日

広島国際アニメフェスティバル

さて19日から続いていたアニメフェスも今日が最終日。わたしにとっては2日目だけど。

昨日マラソン見てしまって日本選手優勝おめでとう。マラソンは見てると変わらないのに目を離すと順位が変わってて困るよね。

広島で落ち合った友達が午前中一緒にアニメを見てくれるというので最初のプログラム分だけ(1200円)買って入場。私は1日券がある。最初のは小ホールでフェスティバル受賞作。受賞作だから面白いはずだがやはり訳のわからないものもある(笑)。大ホールではシルヴァン・ショメ監督の「ベルヴィル・ランデブー」長編アニメだが絵が好きな感じではないのでパス。中ホールでは平和のためのアニメーション2。
お昼を喫茶で軽く食べて二人で広島平和公園へ。

原爆ドームをはじめて見た。いや、なんかこう………凄かったね。
異様だよ。回りはちゃんと平和な平成なのに、ここだけ時間が止まってるよ。怨念しょってるよ。絶対風化させるもんかって意志がドームにはこもっているよ。そこだけ切り取られたみたいに本当に異様だよ。
私は戦禍を残しておく意味がわからなかったけど、これ見てわかった。残すべきなんだ。体験してなくても頭の中の知識だけでもわかる。もうやっちゃいけないことだと。これは人間の過去最大の過ちだと。許されることではないと。そしてそのうえで乗り越えなければならないのだと。
いや、やっぱ日本人は、人間は見ておくべきだよ、ヒロシマ。

友人がバスで帰ってアニメの後半戦。
ちょっと遅れたらフェスティヴァル受賞作品4は満員御礼。小ホールでやるなよ、みんな見たいだろうが(泣)。仕方なく大ホールのジミームラカミ監督の「風が吹くとき」を見てしまう。ああああ。

 原爆ドームのあとはコレはツライ。
 イギリスに原爆が落ちるが、原爆に無知な老夫婦はいつかくる
 政府の助けをただ待ちながら死に向かう。
 絵がほのぼのしてるんだよ、スノーマンの絵本の人だよ。

「外にでたら原爆があるんじゃないの?」
「そんなのどこにも見えないよ」
「あとで体に害があるんじゃないかしら、昔日本人はあとからもずいぶん死んだみたいだし」
「ちゃんとやるべきことをやってなかったんだよ、まあまだ科学も発達してなかったし」
「どうして新聞がこないのかしら」
「原爆が落ちたんだもの、書く記事が多すぎて遅れているんだよ」
不安になり弱っていく妻を精一杯労わる夫
「泣くんじゃないよ、泣くんじゃないよ、体の調子が悪くて心が参っているんだよ」
「お祈りをしてちょうだい」
「どんなんだっけかな」
「なんでもいいわ」
「慈悲深き父よ、………緑の野に………」
「とてもいいわ、とくに緑の野ってところが」
「後は忘れちゃった」
「ありがとうあなた」

ああああ。

二度と見たくなかったのに。

続き さて大ホールでは引き続き「ベストオブザワールド」世界の優秀アニメだ。やはり意味のわからないものもあるが爆笑ものもある。
居眠りする老婦人のもとにくる死神。まさにその鎌が老婦人の命を立ちきろうとした瞬間、婦人の蹴りがヒットする。ワンピースを脱ぎ捨てた老婦人の渾身のアクション技。死神の惨敗。グロテスクな死神と単純な線の老婦人の対比が面白い。

残念ながら大会結果を見ることなく帰途へ赴かなければならない。19時までの電車にのらなければ今日中に東京へ帰りつけないのだ。しかしヒロシマにきてお好み焼きを食べないのはあまりに馬鹿馬鹿しい。
と、広島駅の駅ビルの中にお好み焼きのカウンターが5軒、並んでいるではないか! さっそくおばちゃんが焼いている店にはいる。大盛りキャベツとヤキソバのお好み焼きはうまかった! 650円。安い! お好み焼きはお好み焼き村へ行かなくても駅で食べられます。

2004年08月22日

広島国際アニメフェスティバル

さて今日は朝からアニメフェス。9時から9時まで12時間耐久だ。
ホテルの人に年金会館までの行き方を教えてもらう。バスに乗れば年金会館前で止まるらしい。知らない町はなんとなく心細いぞ。

年金会館前で下りたがそれらしい建物が見えない。お昼ゴハン調達のついでにコンビニの人に聞くと年金会館の隣だという。会館がでかいんだな。
でかい会館を超えると確かにポスターが! ここがあこがれのアニメフェス会場か。おお、外国人もいっぱいいるぞ。

ちけぴで買っておいた前売り券を1日券に変えてもらう。これで今日一日自由に出入りできる。プログラムを購入、なるほど、3つのホールでいろいろ上映しているのか。うーん、なやむな。
大ホールではジョン・ハラス「動物農場」………イギリスの政治風刺の長編アニメ。中ホールでは世界の子供の作品、小ホールでは現代日本のアニメーション。
動物農場にも惹かれるがここはやはり現代日本だな。
これが2時間弱。計11本だがそのうち2本はストーリーはあるようだが訳がわからず、2本はストーリーがありよくわかり、残りはアニメーションとしての面白さを見せたもので、インパクトの利いた短い作品が多い。人間の体の1部をさまざまな機械に置き換えた「快動力」しっとりとした人形アニメ「朱の路」、いろんなパスタでつくったキャラクターが楽しく大浴場にはいる「ボーノーモ」が個人的にお気に入り。
さて、お昼ゴハンを食べて後半戦。

午後は大ホールで韓国のアニメ監督の「エンプレス・チャン」、中ホールで平和のためのアニメーション、小ホールで「九里洋二11PM特集」。ここはやはり韓国長編アニメだろうな。キャラクターがちょっとディズニーみたいだけど午前中にストーリーのないアニメ見すぎたから少し頭休めないと。
これは親孝行な娘が父親の目が見えるようにと海神のいけにえになるけど、助かって王子の花嫁になるというシンデレラストーリー。
絵も演出もディズニー風。でも主人公がかわいくて魅力的。おかしかったのは王子と見つめあうシーンで王子の目がキラッと光ったところ。しかも両目。ここで観客爆笑。監督は来日してたけどなんでここで爆笑が起こるのかわからなかったろうな………。


 ちょっと休んで大ホールでは「平成狸合戦ぽんぽこ」と高畑勲
 トークショー、中ホールではベストオブザワールド、小ホールで
 は久里洋二パート2。
 「ぽんぽこ」は見たことがなかったので見てみる。
 うーん、なんかあまり面白くないぞ。と思ってたら高畑勲自ら
 その正体をバラした。
 この映画には観客に感情移入をさせない演出がとられていたのだ。
 それってエンターティメントとしてはどうよ?
 でも高畑監督は「そんな映画も必要だと思う」と言いきる。そーかなー。
 確かにナレーションの多用、キャラクターの変化の多用、主人公を決定しない方法などで感情移入はしにくい映画に仕上がっているので監督の意図通りなんだけど。音楽はよかったと思う。

最後は大ホールでコンベンション。このアニメフェスへのグランプリを決める世界各国からの参加作品。今日が最終日だ。全部で14作品。字幕がつかないのでストーリーのあるアニメにはつらい。というかやはりストーリーがないアニメもある。5つはわからなかった(笑)。
アニメフェスのあとは広島で友人に会う。彼女は宮島観光をしてきてホテルで落ち合った。広島地ビールを飲める店で飲み食いし、ホテルに戻ったあとはゲームの話などをしながら………オリンピックを見てしまう。あああ、マラソンみちゃったよ、ゴールまで。明日も9時からというのに………

2004年08月03日

スチームボーイ

日曜の朝、洗濯物をまわして、ウエンディーズにモーニングセットを食べにいったんです。1時間以内で戻れるはずでした。
そうしたらウエンディーズの前に映画館があったんです。スチームボーイがあと15分ではじまるところでした。
映画館に入りました。当然、洗濯物のことは頭から抜けてました。


 スチームボーイ、まるで写実派の絵のように美しいマンチェス
 ターの田舎、陰鬱なロンドンの風景、目を奪われるロンドン博
 の背景、そして動き回るキャラクター。
 絵はいい、すごくいい、いや、話だって面白い………でも。
 
 「AKIRA」の勝ちだな。
 同じオオトモ監督の作品で比べたら、「AKIRA」や「工事中止命令」の方が面白かった
 かもしれない。
 何が原因かというとやはり主人公のキャラクターなんだと思う。巻き込まれガタの13才の少年・レイ。「AKIRA」のカネダも確か15か16才だったと思うし、二人ともデザインはごく普通の男の子なのだが、カネダが見せるふてぶてしい表情や、黒い面の魅力っていったらもうあなた。そして何より、前に突き進む行動力に納得させる力がある。その点、レイは弱い。自分の意志にも迷いがあるし(もっとも科学が人のためのものか、そのために人を傷つけていいものか、科学の発達が人の幸せのためのものなのかという答えのナイ問いの中にいるからしかたないけど)、今ひとつミリョクに欠ける。声優初挑戦の女優さんはがんばっていたけどやっぱり今ふたつくらいだったし、何より、第三の主人公ともいうべきおじいちゃんの声の人が………うーん、だめだった。すごく耳についてしかもはいってこない。ここは無難に永井一郎さんにでも頼むべきだった。
(スチーブンスン役の児玉清はよかった)
話が途中でだれる感じがあるのがハリーポッターと一緒で、ちょっともぞもぞしちゃった。10年、24億かけて申し訳ないけど、2回目を映画館で見るかといわれたらちょっと遠慮するかもしれない。
ちなみに私が映画館で二回以上見たのは
「ビューティフルドリーマー」「パトレイバー1」「もののけ姫」
「カリオストロ」「ナウシカ」「ガメラ1・2」「指輪物語1」かな?

2004年05月15日

カムパネルラの絶望

今日、相方と飲んでいるとき、人の幸せはそれぞれだから、という言葉から「銀河鉄道の夜」の話になった。確かあれにも「人それぞれの幸せはその人にしかわからない」というようなセリフがあった、と思う。
私は実は恥ずかしながら原作を読んでいないので、アニメの「銀河鉄道の夜」(あの猫の!)の話しとなるのだが、人のために命を落としたカムパネルラは幸せだったのか、という話しだ。


 「人の幸せのためならあの天上の蠍のように何回火に焼かれ
 たってかまわない」
 と言うカムパネルラは確かにザネリのために何も考えず冷たい
 水に飛び込んだのだろう、そして命を落としても満足だったに
 違いない。
 彼の心配はただ「おかあさんは僕を許して下さるだろうか」という一点だった。そこも客観視している。
 だが、ジョバンニは銀河の中に石炭袋を見た。
 ゴウゴウと音をたてて全ての光を飲みこむ石炭袋の中に絶対の孤独を見て、
 その恐怖と寂しさ、切なさからカンパネルラにほとばしるように声を上げる。
 「カムパネルラ、僕たち、どこまでもどこまでも一緒に行こうねえ」

その時、カムパネルラは突如として悟る。
僕は一緒には行けない!
天上で輝く火となっていたカムパネルラはこの瞬間地に堕ちる。人間の子供に戻る。
僕は一緒には行けない。
輝く未来にも家族と過ごす幸福も、友達と一緒にいる幸せももうかえらない。
天上にいたカムパネルラなら微笑んで「ごめんね、僕は一緒には行けないんだよ」と諭すことだろう。だが地に戻った少年は答えることができない。
僕は一緒には行けないんだ………。

自分の死を、孤独を、絶望を理解した少年はもうジョバンニと行くことができず消えるのみだった。
この車両にも、次の車両にもいないカムパネルラを探して最後尾に辿りついたジョバンニは、夜の中に寂しく消えていくカムパネルラを見る。ジョバンニに向けるカムパネルラの視線は石炭袋と同じ絶対の孤独の色を浮かべている。
可哀想なカムパネルラ! 天上で炎にもなれず、ジョバンニと共にいきることも出来ず、石炭袋のただ中で膝を抱えるカムパネルラ!

などという話しをだな、リースリングと一緒に語っていたわけだ。

2004年05月14日

ぼくは怖くない

今日は先日観そこねた映画を観にいった。
しかし映画館にあるまじきお上品さだった。もぎりはダークスーツの男性でホテルのフロントのようで、整理券で5名ずつ入場。だがどう見ても20人もいないぞ、今日は。

映画はイタリア映画「ぼくは怖くない」。

 どこまでも広がる黄金の麦畑、広い空、駆け回る少年達。
 そんな中で主人公は穴の中で鎖につながれた金髪の少年をみつける。
 ………ボーイズラブの世界だ。
 が、現実はそれほど甘くなく、金髪の少年は都会から誘拐されてきた子供、そして主人公は自分の両親がその犯罪に関わっていることも知ってしまう。
 オトナの現実の前に少年は金髪の子供を助けることもできない。ただ水を与え、なけなしのこづかいでパンを買って与える。そして穴の中から連れだし、麦畑で笑いあうが、夜になればまた彼を穴へ戻さなければならない。
無力な子供。
だが、その子が殺されそうになったとき、勇気を振り絞り、助けようとする──

衝撃的なラストシーン、感動的なエンディング、可愛い少年達、美しい映像。
一般上映はしないかもしれないけど、ビデオになったらショタBLが好きな人にはおすすめです。
でも2回ほど、心臓がバクテンするくらいびっくりするので注意。

しかしお上品な映画館だが客はどれほどお上品ではなかった。
エンデイングの最中に真中にたって上着を着るな、おやじ!
そんなにすぐにメール確認しなきゃならんほど忙しいのか、新卒スーツ女子! チェックしたいなら外へ出てやれ!
スタッフロールが終わるまで私は映画の余韻を味わっていたいのだ。ケイタイの発光画面は眩しすぎるんだよ!!!

2004年04月11日

日本沈没

今日は秋葉原にいってきました。
5月のイベント用と、あと通販用にCDロムを買いに。
ビックカメラにも売ってるけど50枚3000円するからなー。
秋葉原を歩き回って2090円の太陽誘電のプリンタブルCDロムをゲット!
秋葉原の法則って、かならず最初に見たものが一番安かったりするんだよな。
けっきょく最初の店に戻る………。

今回はCDロムの他にDVDも探した。探していたのは「TV版日本沈没」のDVD。

 こないだGEOで1980円で売ってたのをみたのでもしかして秋
 葉原ならもっと安く、他のシリーズも出ているのではないかと
 探してみた。
 しかしさすがにマイナーなTVシリーズだけあってあちこち回っ
 てやっと1件。
 4800円だった………初回限定のプラモがついている。
 プラモか………作るの苦手なんだよね。
 つか、vol1しかまだ出てないのか。BOXで出ているの期待したんだけど。

 日本沈没というのは小松左京の代表的SFで、そのタイトルとおり日本が沈没してしまうシミュレーション小説。上下刊で当時かなり売れた。
面白いんだよ。もーパニック小説の真髄って感じで。
日本が沈没するんだからそりゃあたいへんな騒ぎなんだけど、私が印象に残っているのは日本人を救うべく学者がいろいろやっているんだけど「本音を言えば、日本人全員に言いたい、この国と、この美しい国と一緒に死んでくれ、日本と一緒に死んでくれと」と、語るシーン。
ああ、死ぬよ。この美しい国と! と号泣したもんね。
日本人は難民となって世界のあちこちに散るのだ。オーストラリアの砂漠に、中国大陸の山中に、アメリカのスラムに散るのだ。各国に受け入れを求める政治家たちの必死の努力、少しでも日本人を災害から救おうとする自衛隊、翻弄される市井の人々………。
そういう人々の姿が誌面から浮きあがり、その全ての人生を背負ったかのように読後消耗する小説だった。

で、TVシリーズとは、その日本が沈没する様を1時間番組で3ヶ月ほどかけて放送したんだよね。
これも記憶に残っているのは札幌雪祭り。
日本が沈没するのに悠長に雪祭りなんかやってられるか、って話しだけど、北海道のオヤジがヒトリで「俺ひとりでもやる」と日本の雪像を作る。
「ここが故郷なんだ、俺は北海道を愛しているんだ、北海道と一緒に日本と一緒に死ぬんだ!」
そして背後から迫る大波に飲まれて日本の雪像はくだけ親父も見えなくなる………滂沱。
なんかこう、ねえ。毎回毎回日本の美しさを、日本人の魂や強さを見せてくれる泣かせ番組でした。
欲しいんだよ………!

あとこれは比較的手に入りやすいガメラ3部作。昭和から平成までの作品のDVDBOX。初回にはガメラのフィギュアが。しかし3BOXで五万円はするんだよ(泣)。

2004年04月08日

ロードオブザリング3


 ようやく「ロードオブザリング3」を見にいく。
 3時間強の映画なのに退屈しなかった。一緒に行った相方は、しかし、最初の戦闘シーンで
 もうくじけていた。
 監督がオタクだな、と思うシーン。
 のろしがつぎつぎに灯されていくシーン。相方は不必要だ、と言ったが、私にはわかる。
 ここは描きたいんだよね。
 炎が次々とリレーされていくところで人間の団結と意志を描きたいんだよな。
 しかし象が出てきた時点でもうおなかはいっぱいだった。無理だよ、勝てないよ(泣)。それでもその象を人間たちは引き倒す。レゴラスのシーンはかっこよかったが、私はその前に人間たちが懸命に巨大な力と戦っているシーンの方が好きだ。どうせ単純に監督の手のうちにのせられてますよ。
しかし魔法使い、強すぎ。あんたはユパさまか? 魔法はどうしたんだ。サルマンとかと戦っていた時の空中技をなぜ象やらトロルやらのときに出さないんだ。
原作でもガンダルフが魔法使っているシーンは少なかったけどさ。
魔法使いの立ちまわり強すぎ。あれはぜったい座頭市見てるな。
カメラワークは「天と地と」だった。
フロドとサムのシーンはもうつらくてつらくて………。そしてスメアゴルがかわいそうで。
つか、絶対死んでる、あんな大噴火の中でなぜ助かるんだ、ホビット。

映画の後は黒ビール。黒ビールは濃すぎるのでハーフ&ハーフで。

……すいません。
指輪物語でガンダルフがなぜ魔法を使わないのだ、と言っちゃって。
今日パンフレット読んだらそのへんの理由が書いてありました。翻訳の田中さんが「ガンダルフはサルマンと共にサウロンの野望を防ぐため西から使わされた守護天使的な役割で、魔力ではなく、知識と指導で人々を導く存在」。
つまり日本語としての意味の「魔法使い」ではなかったわけですね。
トルーキン、自己設定作りすぎ。魔法使いって書かれたら魔法使うって思っちゃうよ。
だからガンダルフが魔法を使える相手は同じ魔法使いのサルマンにだけだったんですね。
人相手、オーク相手には魔法が使用できないので、武闘派になったというわけです。
おそらく原作にもそのへん書いてあったと思うんだけど………すっかり読み飛ばしたんだろうなあ。
ガンダルフとサルマンはそれこそ里見と財前のような存在だったんだろうに………。3部にはサルマン全く出てこなくてかなしい。嗚呼………

2004年03月13日

白い巨塔最終回


 「君の不安を受けとめたい」
 このセリフにつきますね!
 こんなふうに医者に言ってもらえる患者はいるでしょうか?
 これはもう恋人の、夫婦のセリフですよ!
すがりつきたかったでしょうが、そこはそれ、プライドの塊の財前には無理です。
しかし井上由美子! なぜ触れさせない!
あと1cmで手が、指がふれるというのに………ああっ!
そしてドア前で立ち尽くすな、里見!
追いかけられない、甘えられない孤独な二人。

しかし臨終のシーンでは泣かせていただきました。
財前のセリフほとんど聞き取れなかったんだけど
「一緒に、一緒に」というセリフだけは聞こえました。
夢見た白い巨塔の最上階、そこには自分、そして横に里見。
これが財前の野望? 夢? 憧れだったんですね。
映像で見せてくれてもよかったのに………ベタベタですか?ベタベタでもいいじゃないか、
夢見せてやれよ、白い巨塔、作ってやれよ、そこに里見立たせてやれよ。井上!
そういうベタなシーンを私は望んだんだよ(泣)。

写真は新潮文庫の原作本。読め、古本でもいいから。

2004年03月11日

白い巨塔・ラスト1回

あー、今回も私を悶えさせる「白い巨塔」。
倒れた財前に駆け寄る里見、君の指図は受けないといいつつ目ですがる財前、そしてそれを思い出している里見の前に現れる財前。
妻でも愛人でも母親でもなく、求めたのは里見だけだったのね~。
里見は里見で「財前とずっと一緒に歩いていきたい」とぬけぬけと。サエコに「羨ましい」とまで嫉妬されて、ここでようやくサエコと会わないでと言った妻の気持ちに思い当たる朴念仁。
くう。来週最終回なんて酷い!

来週になったら原作買うぞ。今古本屋でも入手困難だろうな。新刊で買うしかないか。でもできればハードカバーで欲しいんだよう。
文庫だと5冊なんだよね。ハードカバーなら三冊くらいかな。
文庫は気軽に読めるけど、こんな重厚な話しはやっぱハードカバーで置いておきたい気がする。
それにしても今回もマイダーリン、大河内教授はいなくて悲しい。
最終回にはぜひ。

ところで下のDVDは田宮二郎が演じた白い巨塔の映画版です。
当時もすごい人気だったんですね、映画になるくらいだから。
田宮二郎の財前も観てみたいです。

白い巨塔 劇場版
白い巨塔 劇場版田宮二郎 東野英治郎 滝沢修

おすすめ平均
stars強すぎる野望は常に失態を招く
starsとにかく面白い
stars二度と作れない傑作
stars時代の差!
stars原作の雰囲気が充満

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2004年03月04日

くどきにいくよ


 はい、木曜日は白い巨塔の日ですね。

 今回私を悶えさせたのは上記のセリフです。
 裁判中の財前は里見に電話して「裁判が終わったらくどきに行くよ」と完全にプロポーズの構えです。
 それに対して里見は財前の咳を気にします。「心配してくれるのか?」と嬉しそうな財前。
 里見、あまりにも罪深いです。診てやれよ。
 そして財前のあまりに身勝手な言い逃れについに博雅がキレてしまいます。気の弱い人間を追いつめちゃ駄目、ということですね。
今回のテーマは「医療は誰のものか」。
医師、患者ともに納得の行く話し合いがどれほど大事なものか。
医師が、患者が納得できる説明をする、という当たり前のことが行われるようになったのがここ数年のことというのは恐ろしいですね。もっとも患者としては医師に逆らえば治して貰えない、という恐怖は常につきまとうわけです。
医師がロボットなら、そんなことも思わないのでしょうけど、ロボットと人間の医師がいるならやっぱり人間の医師にかかりたいのが人情かもしれません。

2004年02月19日

白い巨塔


 木曜日って言ったら「白い巨塔」ですよ!
 もうね、毎回かかさず見てますよ。一回見られなかったんだっけな、残念。
 もうみんな里見先生の魅力にメロメロですね。今日は大河内先生まで里見くんちにやってきたよ。捨てる神あれば拾う神ありですね。大河内教授かっこいいですね。
 前からかっこいいなーと思ってたんですが、この俳優サン、他にどんな役やっているのかな。
 天本英生さん亡き後はこの人くらいしかマッドな科学者やる人いないよ、安楽椅子探偵でもいいな。
 あ、今調べてきた。品川徹という役者サンだ。「ほの暗い水のそこから」にも出ているそうな。舞台もあるそうな。六八歳にしてブレーク! とか。ぜひ特撮ものに出演してほしい。ガメラとか………。だって養老さんも出たんだし。

ついでに大河内教授でグーグルで検索したらいっぱいでてきた!
みんな教授好きなのねー

それにしても里見! あんなに財前が熱烈ラブコールしているのにそっけない態度を………!
前回、あのガンセンターにはTOPに自分、そして横には里見(はぁと)と夢描いていた筈の財前。
3年後には呼び戻すからね♪ と里見を嬉しがらせてやろうとわくわく、引越し前にわざわざやってくる財前。
けなげ。君には君の本質をわかってくれる里見が必要なんだよ! 全てを投げだして里見を求めなさいよ! いいじゃん、二人でコンビで全国回って患者を救えば。
内科と外科の出張医療だ!

それにしても現代は「医者の理想の医学」「患者の理想の医学」の間には差がありすぎるような気がする………

2003年12月21日

ファーストガンダム3


 ガンダムの真骨頂とも言える回が続くこの中では、すっかり人
 間ができやがったワッケイン、玄田哲生の美声が冴えるスレッ
 ガー、温厚で律儀なニュータイプ・シャリアブル、作画がすばら
 しかったマ・クベ、武人・ドズルなど、大人の男たちが見せる
 魅せる。
 そして死ぬ。

 それにしてもドズルの号令はかっこいいな。
 もちろん、ギレンの「立てよ国民」に表される演説もかっこいいが、矢継ぎ早に飛ぶドズルの命令は、場内にいた男子諸君ならみなそれに従い、モビルスーツ、あるいは船に乗って、ジオンの礎たらんと欲して命をかけてみたいはずだ。だろ?
今回のオールナイトも女子が多い。最終回だから普段より人が入ったかと思ったが意外とそうでもなかった。

この回の中でやはり特筆すべきは「ソロモン攻防戦」。
ドズルが死に、スレッガーが死に、アムロの覚醒が行われるこの回。
前の日記でスレッガーとミライの別れについて書いたがやはりわたしの記憶違いではなかった。ガンダム上、1位であるラブシーンはしっかりと描かれている。

被弾したスレッガー機がホワイトベースへ戻ってくる。スレッガーを気遣い、すぐにでも飛んでいきたいのだが、責任感の強いミライは操舵から離れられず、ちらちらとブライトを見る。ブライトはそれに気づき、戦闘中は禁じられている個人通話でスレッガーのもとへいくことを促す。
「君の気持ちはわかっているつもりだ。だが僕は待つよ………」
ミライは休憩するスレッガーのもとへ行き、無事な姿に涙ぐむ。スレッガーは言う。
「よしましょうや、少尉。うかつですぜ」
そんな涙を見せると自分が勘違いしちゃうよ、と注意するのだが、ミライにとっては勘違いではない。なんと言われても本心なのだ。その涙にスレッガーは「あんたは俺にはまぶしすぎるから」と首を振る。
だが何も言わずただひたむきに自分を見つめる瞳。スレッガーの胸に愛おしさが溢れる。これが少女の勘違いだとしても短い命だ、応えてやりたい。
スレッガーは自分が戻らないことを知っていたのだろうか、その上で少女に夢を見させてやろうとしたのか。彼は母親の形見のリングを預ける。
それで別れのはずだった。
別れられるはずだった。
だが運命は甘い夢を見させてくれた。
爆撃の衝撃で艦が揺れ、ミライはスレッガーの胸に投げ出される。間近に恋した男がいる。目を閉じて仰向いた少女に応えてやれない男がいるものか。
スレッガーはミライを抱き寄せ口付ける。そっと離せば慣性のままミライは壁際に流れた。口付けの甘い余韻に抱かれたまま………。

一方 アムロはドズルの操縦するビグザムを撃破する。ドズルは自動小銃を手に向き身でガンダムに向かって連射する。
「ジオンの栄光、この俺のプライド。やらせはせん、やらせはせん、やらせはせんぞ!」
アニメ史上心に残る名セリフ、やらせはせん三連発。
アムロは象に立ち向かう蟻を見る心境で敵を見下ろす。だがそのときドズルの背後からあふれだす暗い影。それはたちまち悪魔のような姿を取り、アムロを襲う。
前回の予告編で「憎悪」と名づけられてしまったので観客はその正体を知っている。予告で言うべきではなかったかもしれない。

そしてソロモンは落ち、ドズルの妻は嘆き、スレッガーの死を運んできたアムロにミライは泣き崩れる。
「嘘だって………嘘だって言えないのね、アムロ………!」
そんな女性達の涙の中に満を持して流れる挿入歌「おやすみアムロ」。
ちくしょう、そんなに私を泣かせたいか、ガンダム!
この回は観客席からもすすり泣きが少し。
たくさんの人間が、愛が死んだこの回。そして人間の闘いはここで終わる。なぜなら次からはニュータイプの闘いだからだ。

ニュータイプとしての戦闘進行は早い。そして動画も動く動く。
エルメス、ガンダム、ゲルググの三つ巴の闘いがかっこいい。スピーディなアクション、表情、セリフすべてかっこいい。そして満を持して(またかよ)流れる挿入歌「シャアが来る」………いい歌だよ、かっこいいよ。でも会場には笑い声が。爆笑じゃないところが逆に哀れだよね。だってその笑いって「やーん、恥ずかしい」てな感じの笑いだったから。「シャアシャアシャア、シャアが来る~♪」この回は家でひとりで見たほうがよかったかもね。いや、曲はいいんだよね………
進行が異常に早いと思ったら、ガンダムは52話の予定が43話に縮小されて打ちきられたのだった。ニュータイプ覚醒からサビ家の崩壊はもっと書きこまれるはずだったらしい。

閑話休題。 職場の仲良しさんに今度枕くらいの巨大エルメスが販売されると聞いた。ちゃんとビットつきだそうだ。いや、買わないよ。カルピス劇場のフィギュアはともかく、セーラームーンのフィギュアだって相方に白い目で見られているのに、モビルスーツなんか増やしてたまるか。ふ、増やして………ぁぅぅ。
しかしモビルスーツってデザインいいよね。ロボットの革命だよね。大河原さん万歳。学生の頃、アニメと漫画のサークル誌作ってたんだけど、その頃、注目されはじめていた大河原氏にインタビューしたことがある。素人の度胸だね、今考えると。インタビュー場所は「ドムドムバーガー」。大河原氏はアニメ業界に入る前は下着デザイナーだったそうだ。

やがて ガンダムは最終回を迎える。有名な首なしガンダム。愛機をここまで道具として乗りこなした演出が話題。当然なんだけど、今までのロボットアニメはもっとロボットに添ったものだったからさ。首をふっとばされても「たかがメインカメラを壊されたくらい」と言いきるアムロが新鮮だったんだよ。今までは首がなくなったら動かないからね。
全ての機械を捨てて体一つで仲間のもとへ帰るアムロ。
両手を広げて迎える仲間たち。
「僕にはまだ帰れる場所がある。こんなに嬉しいことはない」

やっぱりガンダムはいいなあ。
もう一回オールナイトやったらまた行くだろうな。それがたとえ二十年後でも。

2003年12月07日

ファーストガンダム1


 ──人類が増えすぎた人口を宇宙へ送り出してからすでに半世紀が過ぎた
 ──あるいは──宇宙世紀0079、宇宙都市サイド3はジオン公国と名乗り地球連邦に
 独立戦争を挑んだ──

 これらの有名なナレーションで始まるアニメ・機動戦士ガンダム、
 ファーストガンダムと後に呼び習わされるアニメが始まって24年。
 いまだそのドラマ性は古びず、常に新しい感動を呼びつづけている。

 何がはじまったかというと12月の土曜日3回にわたってTV放映されたファーストガンダムのマラソンオールナイトなのだ。
私がこのアニメに出会ったのはもうすでにけっこうな人格が確率されてからだったが、衝撃は激しかった。
こんなアニメ見たことないと思った。何処がどう違うのかわからなかったがはっきりと違うと思った。確実に何らかの影響は与えられていると思う。

池袋・新文芸座で毎回13話ずつ3週にわたってオールナイト上映されるガンダム、観客は意外と20代~30代の女性が多い。グループや二人づれも多い。もちろん男性客は半数以上占めたが、座席にはまだゆとりがあった。思えば20年前、ガンダムが映画上映されたときは初めてアニメ映画で観客の徹夜組が出たというのに。
オールナイトはなんの前置きもなく、いきなりTVのオープニングが始まった。たんたんと進行される30分アニメだが、回を追うにしたがって1話1話が長く感じられるようになる。話が濃くなる。
今回13話までの中で特筆すべき回は「戦場は荒野」「時間よ止まれ」

「戦場は荒野」はサイド7から地球へ逃げてきたホワイトベースが、敵の戦力圏内のグランドキャニオンを進行中、希望した難民を数名地上に下ろす話だ。追ってくるジオンに一時休戦を申し入れ、難民を輸送機で下ろすが、その輸送機には実はガンダムも入っていた。
ホワイトベースとガンダムで敵をはさみうちにする作戦があったのだ。
降りた難民のうちある親子が他の難民と別れ別な道を行く。途中まで偵察でついてきていたジオン軍の戦闘機は、その親子が気になって追いかけていく。ガンダムはガンダムで戦闘機が親子を襲うのではないかと追いかけていく。だが、戦闘機は親子に救援物資を下ろし、去っていった。ガンダムを操るアムロは戦闘機がガンダムに気づくな、気づくな、殺したくないんだと祈る。しかしガンダムの反射光に気づいた戦闘機は戻ってきてしまい、ガンダムに破壊される………

まあこのあとはザクも出てきて戦闘になっちゃうんだけど、撃ち落とされた戦闘機の兵士が生きていたときはほっとした。ガンダムなら絶対死んでる展開だろうと思ったからだ。負傷した兵士は救援物資を送った親子に助けられたりもする。
見てて思ったのは結局武器や軍などなければひとりひとりの人間に敵・味方などないのだということ。先ごろイラクでテロ行為で日本人が亡くなったというニュースがあったが、毎日毎日あそこでは市民が、そして熱意のある人々が、あるいは送りこまれて仕方なく駐在している兵士が死んでいる。でもテロ行為を行う人々も武器がなければ、大儀がなければただの気のいい人々なのだろう。当たり前のことなのだが、その当たり前のことを忘れてしまうのが闘いであり、戦争であり、憎しみなのだ。

「時間よ止まれ」は全く覚えてなかった、というかもしかしてみてなかったかも。
これもエピソード的な話で、出だしが前線で腐っているジオンの兵士から始まる。これが新鮮。ジオン軍の若い兵達はなんとか本国サイド3へ帰りたくてたまらない。でも帰るには何か手柄を立てなきゃならなくて、そこで彼らはガンダムの破壊を考える。彼らはガンダムをザクでおびき出し、あとはむきみで近づいて爆弾をとりつける。
アムロはむきみの彼らを撃てない。アムロが破壊するのはザクであり、戦闘機であり、彼はその中に人間がいるとは考えない。だからむきみで近づく兵を撃とうとすると手が震えてしまう。まあこの話の前にイセリナに「ガルマ様の仇!」とか言われて銃向けられたり、母親の目前で敵を撃って「そんな恐ろしい子に育てた覚えがない」と責められたりしたという伏線があるが、基本的にアムロは人を平気で殺せるような人間ではない。
で、ガンダムにとりつけられた爆弾は5つ。30分で爆発するので、ジオン兵たちは離れたところからそれが爆発するのを見守っている。そしてアムロがその爆弾をひとりで外そうとするのを面白がり、反面、期待したりしている。
4つまでは順調に外せたが、最後の一つがガンダムが地面に接している部分にあって、アムロは必死で土を掘り始める。それを犠牲者は少ないほうがいいと、HBから見守っていたクルーたちは、我慢できなくなり、泣きながら飛び出して、みんなでガンダムを動かし、爆弾を積んで車を走らせる。
結局爆弾は離れたところで爆発する。ジオン兵たちはがっかりしつつも爆弾をひとりで外したアムロに興味を持ち、民間人の振りをして顔をみにいく………

見終わった後、エンディングを見てたら脚本は富野監督だった。
そーか監督だからこんな好き勝手な話が作れたのか。と、納得。
こういうエピソードがはいるからこそ、ガンダムは他のロボットアニメと一線を画しているのだろう。

2003年11月28日

フォーンブース


 受験が終わった姪と前から観たかった「フォーンブース」を見にいく。
 公衆電話のボックスに閉じ込められた男の話。

 電話の相手がライフルで狙っていて、電話を切ると殺される。
 おまけにその相手が主人公に絡んだ男を殺したので、警察には銃を持っていると誤解され、
 ちょっとでも妙な動きをすると撃ち殺される危険がある。
 この「警察に殺されるかもしれない恐怖」というのはアメリカならではだろうなあ。
 日本では発砲にも許可がいるから、警察にあまり恐怖は感じないだろう。
ライフルで狙っている変態より、取り囲んで狙っている警察隊の方が観ていて怖い。
主人公と狙撃者と主人公に投降を呼びかける刑事。
この三人の知恵と精神的な我慢比べ。
さすがに会話だけで90分持たせるのはむずかしく、とちゅうで観客が飽きそうになるとすかさず他の動きがはいるのがうまい。
何度も主人公が死ぬのではないかとハラハラ感を持たせつづける。
姪もかなり引きこまれて見ていた。
しかしあの最後の大逆転は必要だろうか。
いや、あれだけの知能の犯人がああいう手を用意してなかったってのはおかしいけどさ。
もしかしたら警察が観つけた「犯人も人間だからどこかにミスが」のミスもあらかじめ計算されたトリックかもしれない。

しかし最初はいやなやつだった主人公がどんどんかわいらしくなっていくのはなかなか………。

2003年10月25日

キルビル


 姪っこと一緒にキルビルをみにいきました。
 姪っこはクリヤマチアキのファンで彼女が女子高の制服に身を包み、ゴーゴーボールという武器を振り回してアクションするシーンを楽しみにしていた。
 キルビルは第一話ということで話が終わっていないのでなんとも言えないが、まあ面白かった。でも2話目はビデオかも(笑)。
 監督は日本映画が、それもかなり偏ったものが好きなんだなあ。
 パロディ? オマージュ? しかし千葉真一の演技はパロディなんだろうな。


2003年10月21日

黄泉がえり

相方が「黄泉がえり」を読んでけっこう面白かったというので映画になったものをビデオでみる。
見ている途中で「これって原作読んでなくて話しわかるのかな?」と言いあう。
しかし………たるい。原作の持つ地方都市のほのぼのさ、まったりさはでているんだけど、うーん。
こう地域パニックの感じというか人間模様の混乱が伝わってこない。
原作読んでないで映画観た人、面白かったですか?
相方は途中で寝ちゃったよ(笑)。

2003年08月01日

戦場のピアニストと彼女


 「戦場のピアニスト」「猟奇的な彼女」
 どういうくみあわせなんだか。
 前者は第2次大戦のユダヤ人のホロコーストを、
 後者は現代勧告の恋愛ドラマを描いたもので、この落差はすごかったな。

 池袋新文芸座。入ったのははじめてだったけど、
 さすがに映画好きのための映画館だけあって座席も広く椅子もよく、五時間の長丁場にもたえられた。9日にはオールナイトにいく予定だけど楽しみ。

猟奇的な彼女は以前観たことあるので安心して観ていられた。今回は相方と行って、涙もろい彼女が果たしてどこまで耐えられるかと思ったら、もう半ばくらいから泣いていて、映画が終わったあとは目が腫れていた。

そして「ピアニスト」。これは………うーん、すごく、こう、神経にくる。車椅子に乗っていて立てない老人にナチス兵が「立て」と命じて、立たなかったから四階の窓から投げ落とす………。これがまず最初のショッキングなシーンなんだけど、前に座っていた婦人が思わず、といった感じで悲鳴をあげていた。私も上げたかった。
ごろごろ死体のころがる映画。人間を人間としてみない人間の映画。死体の山を焼いているそばでサンドイッチを食えるようになる人間の映画。とても簡単なのだ、相手を人間として見なくなるのは。
戦争に関してはいろんなからまりがあるから一人の責任にはできないと思うが、ホロコーストに関してはたった一人、ヒトラーのせいだ。ヒトラーの妄想のせいだ。この点に関してだけは彼は狂っていたのだと思う。ある種族を絶滅させようなどというのは………。

しかしこの映画を最後までみた人はラスト近く絶対同じような悲鳴をあげるだろう。
「コート脱げ! コート!」
この謎が知りたい人はぜひ観てください。

2003年01月30日

男を泣かせる・猟奇的な彼女

 韓国映画「猟奇的な彼女」を見にいきました。
 水曜レディースディだったから1000円。まあおごりだったから別にいいんだけど、
 それでも安い日に誘うなんてアタシって親切! 
 でもそんな気遣いが無用だなんてことを映画の後に知ることになるのだが。

 ラブコメだけど恋愛の出会いとわかれと再会を描いたドラマ。
 こういう話はハッピーエンドだとはわかっているけどハラハラしちまったぜ。途中で騙されるし!
 とにかくわがままで乱暴な彼女とそれに振りまわされる優しい男の子。
 私はまあ面白かったけど、一緒に行った男性は「ギャングオブNYの百倍面白かった!」と。
まあ、ギャングオブNYが百倍つまらなかったせいかもしれない。
男性視点の話だから男性には感情移入しやすいらしい。
男友達と行くといいかもね。

2003年01月10日

脳まで筋肉・ギャングオブNY

 ギャングオブNYを観に行った。
 渋谷パンテオンは広くて座席数も多くてとても観やすい映画館だった。
 ………人がいなかった。
 ディカプリオは写真より動いている方がずっとかっこよかった。
 しかし結論から言うと、この映画は日本では成功しなかったと思う。なぜかといえば。
 日本人は誰もよその国の歴史なんかに興味ねーんだよ。
 しかもアメリカンのは。

 まったくアメリカ人っていうのはなんでも暴力じゃないと解決できないのかね。
 しかもその暴力ってのが頭わるすぎ。ガキの喧嘩。
 ギャングとはチンピラの意味なのか?
 暴動起こした市民を止めるには大砲をめくらめっぽう撃つしかないのか?
 ごたまぜ民族のくせになぜよそものを差別する?しかも同じ白人同士ならなまりでないと見分けられないくせに。この映画の後、よく黒人暴動が起こらなかったな。
NYの貿易センターに飛行機がつっこんで多数の死傷者を出した事件と比べられるくらいの死傷者を、同じ国民、市民同士で出したというのだからアバウトすぎ。
だが、こういう自国の恥部を堂々と見せてしまえるのもアメリカならではなのだろう。
とにかく他人の町の歴史であり、人間ドラマを期待していくとちょっと辛い。キスシーンが執拗なわりにはセックスシーンはぴぴぴちゅんちゅんだしな。

2002年11月20日

AKIRA-20世紀の幸運

 テアトル池袋で「アキラ」を観た。
 5.1chの立体音響でのデジタルサウンドリニューアル版。
 もちろん1988年にも劇場版は観たし、ビデオも持っている。が、あえて観る。
 そう思って場内を見回すとなんとなく濃い客層のような気がする。
 カップルいないしな。男の二人連れとか女の二人連れとか。
 ここに来ているのは「アニメファン」でも「マンガファン」でも「大友克洋ファン」でもない。
 「アニメのアキラファン」なのだ。



アニメのアキラはマンガとはまったく展開が違う。これはこれで一つの完成品となっている。あくまでも金田と鉄雄のふたりに焦点を絞った少年マンガなのだ。
テアトル池袋は狭い。画面も小さい。だが、やはり「アキラ」は映画で観るべき作品だ。目を奪う美しいテールランプの流れ、バイクの疾走感、破壊、爆発、金田や鉄雄の動き一つ一つが美しい。画面の奥から手前に向かって歩いてくるシーンから、最後の鉄雄の光を抱きしめる祈りの姿まで、金田の存在感から目がはなせない。そして、いまだかって、そしてこれからもこれほど緻密に、大胆に、そして”面白く”都市の破壊を描いた作品は現れないだろう。20世紀、21世紀と、「アキラ」に出会えたことはアニメファンとして幸運なことだ。

2002年11月05日

ヴィドック

ヴィドック」を見た。茶色とネトネト色の映画だった。うーん、いまいち。
もちょっといろいろ説明してくれ。
個人的には処女を使った不老薬の作り方とか、「鏡マスク」の退治仕方とか。頼む。

2002年11月01日

宣戦布告

「宣戦布告」を観た。
昨日観たビデオの「スパイキッズ」よりは面白かった。「スパイキッズ」はNHKの「天才てれびくん」のようで退屈だった。スパイグッズに醍醐味があるんだろうけど、けっきょく誰にでも扱えるおもちゃみたいで、どうも今一つ………なんていうかマニアックさが欠けている。なにか使いこなすための手続きなりとあればまだよかったんだけど、「ハリーポッター」に出てきた魔法グッズ」も同じ意味で私にはつまんないんだよね。

で、「宣戦布告」だ(笑)。
うう。緊迫感がもうちょっと欲しい。そして自衛隊が弱すぎ! いくら実践経験がないのを描くと言っても、武器装備に差があるわけじゃなく、なぜたてこもったたった三人にああもバカスカやられるんだ。つか、たてこもっている小屋をいくら撃ったって無駄。なぜガスや催涙弾をつかわない、なぜいきなりコブラでバルカン砲? 単に監督がコブラを使いたかったっていうわがままじゃないのか。コブラ使えなきゃ意味がないとまで言ったっていうけど、それじゃ子供じゃん! なぜバルカンなんだ、なぜバズーカじゃいかんのだ。予算の無駄つかい。
いや、戦闘ヘリ・コブラはかっこよかった。元々戦闘ヘリは大好きだ。特にヘリが正面画面で下から上へがーっと出てくるシーンは誰だって理由なく血湧き肉踊るもんだ(「踊る大捜査線」だっけ、あれにもヘリコ部隊が出てきたけど、あれも残念だったのは三機いっせいに出てくれなかったことだよな、すこし左の機体が遅れたのがアタシ的には美しくなかった)。しかし、その後のコブラがバルカン撃つシーンはこれはフィルム別撮りだろ? だったらコブラ借りたのはこの正面映像だけか? 意味があるのか? バルカン撃つシーンに3分はかけてくれたけど、フィルムがぼけぼけで残念。
敵は「東方人民共和国」だけど劇中では「北」と呼ばれていた。もっている武器は当然のようにスペツナズ。わかりやすい武器だからね。でも後半のたてこもりの時に使っていたものすごい弾薬量の武器はなんだったのかよくわからない。パンフレットには武器の紹介も載せてください。
最期まで見てて当然協力に「防衛庁」「自衛隊」と出るだろうと思ってたらでなかった。こういう映画のクレジットにその名前が出るのを一種楽しみにしている(笑)私としては「?」だったけど、パンフレットには防衛庁の協力がなかった、とあった。ほう、すると全部自作か、そこはすごいな。怪獣映画では「防衛庁」「自衛隊」は喜んで協力してくれるけど、こういう時事問題ネタでは協力してくれないわけだ。コブラはどこから持ってきたんだろう。
後半首相たちは「危機管理センター」に移動するんだけど、そういうのが本当にあるのかと思っちゃった。グーグルで調べて見学に行こうかとまで(笑)。なかった。その辺チャチくなくてよかった。

ま、私的には首相と情報局室長の関係がなんかいやらしくてよかった。夏八木勲には頼りたくなるよな、古谷一行。

宣戦布告
宣戦布告古谷一行 麻生幾 石侍露堂

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starsとても勉強になりました
starsこれはヤバイ
stars現在の日本を!
starsよくやったと思います。

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