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稲荷神社と富山の薬

富山で呉羽山に行ったら偶然稲荷を見つけました。

呉羽山によくいってるという妹は、道しか見てなかったので
気がついてなかったそうです。こんなに大きいのに!

お参りをして中を撮らせていただきました。
ここは豊栄稲荷(とよさかいなり)というのだそうです。

右は金色の狐が鍵をくわえ、左は銀色の狐が巻物をくわえていました。
すらりとしてかっこいいですよ。
神社の人はだれもいなかったので縁起とか聞けなかったんですが、
あとで調べて富山藩主二代目前田正甫公が建立したというのがわかりました。
この人は富山で売薬を始めた人ですね。

江戸城の大広間で福島県の藩主が突然激しい腹痛に襲われたとき、前田正甫は持っていた「反魂丹」という薬を飲ませてその痛みをぴたりと止めました。それが評判になっていろんな大名がその薬を欲しがったわけです。
もともとは岡山の医師・万代常閑が調合した薬だったんですが、前田正甫は万代を呼び寄せ富山で反魂丹を作り出し、全国へ売りに出ます。そのとき、当時では大決断だった、諸国へ行商に出てよい「他領商売勝手」を出します。なにが大決断だったかというと、当時は他国逃散(走り百姓)をおそれて農民を土地に縛りつけていた封建制度下だったからです。領民が勝手に領地から出ては行けないし、他国へ入るのも大変だったわけです。
正甫は薬草の辞書も作ったし、薬袋の文字も書いたし、江戸で薬の宣伝もしたし、今の売薬の方法(先に薬をユーザーに預けて、後から使った分だけ代金をもらい補充する)という方法も考えたし、当時富山藩は貧乏藩だったんですが、おかげでなんとかやっていけたらしいです。

実は富山に戻ったとき、広貫堂という「ケロリン」で有名な薬工場へいったんですよ。ケロリンの桶が欲しくて(笑)。そこで前田の殿様の情報を仕入れてたわけです。広貫堂にはレトロな薬袋の展示もあって楽しかったですよ。
手前がケロリンの桶
怖いもの編と名付けられた薬の袋
こちらは美人編

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2007年01月06日 06:18に投稿されたエントリーのページです。

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