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2006年06月 アーカイブ

2006年06月08日

最近の特撮をざっと

土日にビデオにとって水曜とかに見る、というのが最近の習慣。
PCに録画するので何かしながら片手間にみられるのがいい。

メビウス………ウルトラマンがすごい人間ぽい。ツルギの方ね。内山まもるとかが描いていたウルトラ兄弟の漫画とか好きだったんだけど、あの漫画の魅力は人間くさいウルトラマンたちの関係で、作家の柔らかいペンタッチと非常にあっていた。でもツルギは悲しみのあまり憎しみにとりつかれるというヒーローとしてありえないウルトラマン………子供たちに受け入れられるのだろうか?
最近ようやく面白くなってきた。

セイザーX………いま一押し。シリアスな展開の中に宇宙海賊3人組のかもしだすおかしさがマッチ。庭につながれよろよろするサイクリードがすてき。ブレアードの声は、たっくんとしゃべっているときとアクアルとしゃべっているときと少し違う。たっくんのときは気取った部分があるけど、アクアルのときはなんか素直で弱気だ。
セイザーXがいいのは話し作りがていねいなところだろう。ちょっと前の話になるけど、たっくんが行動を起こすのに慎重になっていて、ブレアードに「昔のがむしゃらさはどうした!」と言われ悩むシーンがある。
おもしろいのはそれが2週にわたって続けられたところ。ふつう「がむしゃらさはどうした!」と言われたらその回で悩んで「俺は臆病になったのかな」という展開にいきそうなところを、2週にわたって2回もブレアードに言われてしまう。つまり1回目はそう言われて「………え?」と思い、2回目に言われて「俺は………」と悩んだ。たっくんは考えていた。2週にわたって。
そして答えがだせずじいちゃんに相談する。そのときのじいちゃんの言葉がすばらしい。
「おまえは仲間の背負っているものの重さを知ったんだよ」
(正確ではないかもしれないがそのようなことを)
「慎重になったんだ」「大人になったんだ」「成長したんだ」ではなく
「仲間の持つものの重さ」を考える。
それはすなわち仲間への思いやりにならないか?
たっくんは成長する。そして役者も成長する。
いま役者とたっくんはまさにひとつとなっている。

超星艦隊セイザーX Vol.4
特撮(映像) 高橋良輔 進藤学
B000EPFS76


ボウケンジャー………1回目をみてしばらく見ずにいたが今週見た。
テンポ早い早い。早いのにちゃんとわかるしアクションもすばらしい。
さすが老舗。安心してみていられるタイミングのよさ。
リーダーが大人である部分もすごく安心できる。
若き水の民の設定もすばらしい。海に戻れてよかったね。
来週から毎週撮ろう。
だってなんか「アシュ」とか言ってるし(笑)。
セロリ喰ってるし。

リュウケンドー………なんかもういいかな、とかおもってたのに、今週のトイレでの変身、大爆笑!
こういうことしてくれるからリュウケンドーはやめられない。
おしゃべりなザンリュウジンがやっぱりいい味だしてる。

魔弾戦記 リュウケンドー1
特撮(映像) 広井王子 山口翔吾
B000EDRGXW

カブト………えっと、カブトこそもういいかな………キャラクターだしすぎ。カブトと兄弟みたいなあの人はいりません。トンボのおにいちゃんがいちばん面白かった。でもカガミはいいキャラなんだよねえ。

2006年06月11日

メビウス&ツルギ

今回のメビウスは本当に見どころ満載!
ウルトラマンの戦いを堪能できました。
倒してしまうと爆発するという性質のボガールのため、磁場でバリヤーをはり、その中で闘うという作戦が展開された今回。
復讐にウルトラの心を棄てたというツルギとメビウスの共同戦線。見よ! 二人のウルトラマンのダブルファイテングポーズを! 文句なくかっこいい。

波状攻撃をしかけるもボガールは圧倒的に強く、メビウスもツルギも何度も地面に叩きつけられる。おお! とおもったのは膝をついたツルギに駆け寄るメビウス。助けるのかとおもったらツルギの背中を馬跳びしてその勢いでボガールにアタックする。一瞬ツルギもびっくり(笑)。

そのあと絶え間なく攻撃をしかけるもふたたびボガールに倒されるツルギ、そこへ炸裂する怒りのメビウスキック。これがウルトラアクション! 

すばらしく効果的な空中戦を経てダブル必殺技光線!
さしものボガールもこれには倒れる。メビウスたちはガイズのメンバーがバリヤーにあけた穴(!)から脱出しようとするが、しつこく立ち上がるボガールをツルギ゙がブレードでおしとどめる。間一髪で大爆発からツルギを救ったメビウスだが、ツルギはメビウスの手を握りながら息絶えてしまう。

………かつてこれほどはっきりと「死」を描いたウルトラマンがあったろうか?
たしかに初代もセブンも死にはしたが、ツルギが今までになく人間に近かったせいもあってみているこっちも愕然。あの表情のないウルトラマンの顔に驚愕と呆然愕然、途方にくれたような表情が見て取れたのは私の気のせいでしょうか。
しかしツルギはウルトラの母によって宇宙へ召された。来週、どういった形で戻ってくるのか………

2006年06月15日

久々に

久々にBL系のお仕事の打ち合わせにいった。
以前だしていたノベルを文庫にという話だが、出版業界はミズモノなので宣伝は本が出てからにするつもりなので当分先。
それにしてもとりあえずやっていたことは財産になるのだなあ、と実感。
でも昔の話でいいのか? 
再録というのは完成しているからどのくらい面白いか確認できる部分あるけどやはり古いってのはいなめないかもしれない。ならたとえ印税は安くても今書けるものを書かせていただいた方がいいのかなあ。

えーと。
砂漠ものでネタが一本あるんですけど、いかがでしょうか(笑)。

ナムチ―臥竜解封録
高寺 彰彦
4805004541

高寺彰彦の「ナムチ」を買った。
高寺彰彦は以前「悪霊」という漫画を買って、とても面白かった。
影響されて書いたのが「いつか天使に。」
で、この人もマイナーな人なので悪霊の次の本でないかなあと思ってたんだけど、やっとでた「ナムチ」は未完の大作。描かせてくれる雑誌がない。

「ナムチ」は本格ハイファンタジーということなんだけど、とにかく出だしで、せっかくの主人公がまったく動いてないのでもうしわけないけどつまらなかった。

世界は描けているんだけど、その、なんだ、本編に至るまでに主人公が引き込まなきゃ、やっぱり続きは書かせてくれないわけで。そして書いたとしてもこの主人公が本当にバカなので全然自分から動いてくれない。バカさがかわいさや愛嬌になってないし。

でも、特撮なんかでは正当な評価はおもちゃを買え、と言われる(ガイアのシグファイターとかメビウスのトライガーショットはほしい)。漫画家や小説家に次の作品を書かせるには今の作品を買わなくちゃだめだ。というわけで投資のつもりで。

………おもしろくしてくださいよ?

いつか天使に。
白城 るた
4415087906

画像がない! 表紙は今市子さんだ!

2006年06月19日

特撮三昧

最終回が近い「セイザーX」は今回はまったくギャグがなし、ボケがなし。
せっかく倒した恐獣もネオデスカル導入でにばーいにばーい。
たっくんはブラックライオと向き合い「争いをなくすにはみんなひとつになればいい」と悪魔のささやきを受ける。でも「みんなが違うから分かり合えたときこんなにうれしいことはない」と言い切る。
いままでずっとつちかってきたタックンの心の言葉にじーんきちゃうよおねえさんは。
そして次回最終回、おもちゃの売れ行きがよくなかったらしいけど、スーパーでも子供に「ボウケンジャー」のお菓子は手にとっても「セイザーX」のお菓子は手にとってもらえなかったけど、大好きだ。がんばれ!

「メビウス」。ウルトラの母はメーテルだった。あのいつでもどこか泣きぬれているような色気と聖母的な声はウルトラの母にぴったり。
セリザワ隊長はウルトラマンが地球人の形をとったミライ=セブンタイプとは違い、ウルトラマンが地球人の中にはいった帰って来たウルトラマンタイプ。なぜ旧マンではなく帰マンかというと、ハヤタはウルトラマンとの意識共有の割合が80:20くらいでウルトラマン寄りだった気がしたから。ツルギであったときは98:2くらいの割りでウルトラマンだったみたいだけどね。
でも今のセリザワは30:70くらいで人間みたいだからさ。
でもなんでリュウの元に帰ってやらないのかな、ミライに「おまえがいるから」みたいなこと言って。
もしかしたら陰から助ける覆面ライダーに憧れた口なのか?

気になったこと。
セイザーでアドやケインの操縦するロボット(名前わかんないけど)の腕に、銃とかなんかいっぱいついてるじゃないですか。あれが戦闘中ぶらぶらするのが気になるのよね。いかにもくっついてます、中身はいってません、邪魔そうですみたいな。
でもメビウスでは、怪獣の頭が2つあっても、ただくっついてる感じじゃなくてちゃんと動かしてて中身も重さもあるみたいなの。
これがやっぱり着ぐるみの歴史の差なのかな。
そもそも戦隊系の何が嫌いかというと巨大化したメカが嫌いなの。
中に人間がはいる限界っていうか、メカは四角いからどうしても動きが荒くて大雑把で、身につけた武器や装甲が邪魔にしか見えないところがさ………

「リュウケンドー」今日の一言「不動さんに棄てられた」
狙っているのか? 狙っているのか腐女子効果!
うちに検索でくる方も多いが最近あったのが「リュウケンドー トイレ」。
気持ちはわかるけど。まだ不動×ケンジはきてないな。
でも「セイザーX タクト総受け」とか「シャーク×ジャッカル」で探していらっしゃる方、

うちではやってませんから!

劇場版 超星艦隊セイザーX 戦え!星の戦士たち
高橋良輔 大森一樹 進藤学
B000ENUYUO

2006年06月24日

宣伝

本業でBL作家などやってますが、最近携帯電話でBL小説が配信されるようになりました。私は携帯はインターネット契約をしてないので見られないのですが、よかったら読んでやってください。

urlは http://b-paradise.com/ez/

もしくは http://b-paradise.com/

★メニューから
EZTOP > カテゴリーからえらぶ > 電子書籍 > 小説・文芸
だそうです。自分で画面を見れないのでよくわからないのですが。
PCで紹介しているサイトは
http://blog.livedoor.jp/bparadise/
なので説明をみてやってください。

1クリックでBL作家を一人救ってやってください。

作家名は「白城るた」
作品はいまのところ
●「眠れない二人」 (お金持ちの砂を吐くようなフランス人青年と高飛車な日本猫のゴージャスラブ・大学生・年上受け)
●「夜明けの鳥」「アイドルを見るな」 (不思議な力を持ったオレ様な幼なじみに振り回される僕。二人の出会う不思議話・高校生もの)
●「銀の闇の彼方」 (記憶を奪われ売春宿で凌辱される銀の髪の少年、救いにきた黒髪の青年とともに閉ざされた世界の謎にせまる・異世界もの)

の四本です。
どれもちょっと一味違う作品になってます。

よろしく~。

2006年06月26日

魔王さまと僕~呪いの石像

「少しは片付けたら?」

 僕はラキエの洞窟の中を見回して言った。せっかく休暇を利用して魔界へ遊びにきたのだが、雨が降っているのでラキエが外へ出かけたがらない。もともと濡れることを嫌う悪魔だったから仕方ないんだけど、1日洞窟の中で過ごすっていうのもつまらない。
 でも退屈だと一言でも言おうものなら、「じゃあ、そんなこと考えられないようにしてやる」ってすぐに抱かれてしまうからな………。
 僕だってそりゃラキエと………するのは嫌いじゃないけど、人間と悪魔では体力に差がありすぎる。結果、洞窟の中をうろうろすることになるのだが、ちょっと歩くとラキエが散らかしてそのままになっているガラクタに行きあう。

「片付ける?」
 ラキエはそんな言葉はじめて聞いた、みたいに首を傾げた。
「君の巣だよ」
「巣、だぁ?」
 あ、むっとしてる。だってさ、そう言う方が合うだろ、この状態は。
「散らかしっぱなしで、片付けないから、洞窟の中を移動してるんだろ?」
 僕はあちこちに丸く散らかっているガラクタを手で指し示した。まるでリスのたくわえみたいに。
「貯まってきたら置き場所を変えればいいんだ」
 まあね、悪魔がタンスに整理整頓ってのも妙な気はするけどね。
「いらないものもいっぱいあるんじゃないの?」
 僕は地面に落ちている(ラキエが言うには置いてある)服をつまみあげた。なんだこれ、そでが四つあるぞ?
「どこからもってくるんだか………」
「欲しいならやるぞ、どれでも」
 あいにく僕には腕は二本しかないから。

 ラキエはものに執着しないくせに、何か目についたものは拾ってきたり奪ってきたりする性質がある。とくにそのものが力を示せるものだったりすると―――たとえば戦いの賞品だったり、奪うのがむずかしかったり、危険な場所にあったりするもの―――俄然張り切る。それを手に入れるまでは時折僕の存在すら忘れるくらいだ。

「そういんじゃなくてさ、いらないものは捨てれば? って言ってるんだよ。これ、ここにあるもの全部必要なのかい?」
「面白そうだから取って来たんだ」
「君は取ってくるのが目的なんだろ?」
 僕は服の山をかきわけた。宝石なんかも無造作に置いてある。
「僕も片付けるほうじゃないけどね………」

 その中に奇妙な形の彫り物をみつけた。象牙のような材質に人のような、獣のような姿が彫り込んである。
「おい、あんまり勝手に触るな」
 ラキエは僕の手の中にある物を見て眉を寄せた。
「それ、危ないぞ」
「え?」
「呪いがかかってる」
「え? うわ!」
 いきなり怖いことを言われて僕はあわててそれをラキエに放った。

「バカっ、何をする!」
 ラキエは片手を伸ばしてそれを受け止めた。
「急に投げるやつがあるか。壊れたらどうなるかわからない」
「ご、ごめん」
 確かにそうだ。僕はラキエのそばに寄った。
「大丈夫だった?」
「触れただけでかかるような呪いじゃ、かけたやつも触れないだろ。仕掛けがあるんだ、こういうのは」
 ラキエはその像を手に裏表を見ている。
「呪いを解いてからコレクションしなよ」
「それじゃただのガラクタだ」
 うーん、確かにそうなんだけど。
「どんな呪いなの?」
「姿が変わる」
「へえ? どんな姿に?」
「さあ………よく覚えてないな」

 僕はラキエの顔を見上げた。ラキエはじっとその像を見つめている。記憶を探しているのだろうか。
「手に入れたのはずいぶん昔だ。おまえと出会うよりずっとずっと前」
「で、手にいれてそれっきり忘れてたのか」
「まあそうだな」
「意味ないなあ」
 僕は笑った。
「これなら捨てていいぞ」
 ラキエは像を指先で撫でながら言った。
「なんだったか全然覚えてないしな………」
 その途端、像が急に光を放ち出した。

「わっ、なに?!」
 ラキエは舌打ちをして、像を放り投げた。像は地面に落ちずに空中に光りながら浮かぶ。
「呪いが発動したか」
「す、捨てるなんて言ったから怒ったのかな」
「そういうたぐいではなかったはずだが」
 僕は光に目を覆って浮いている像を見つめた。
「もう、呪われちゃった?」
「いや」
 ラキエは落ち着いた顔で像を見つめている。何か考えているようだけど………
「だ、大丈夫なのかい?」
「呪いがかかるより先に、壊しちまえばいいんだ」
「ちょ……、」
 そんな乱暴な。呪いの実態も対処法もわからないのに? やっぱり何も考えてない!

「さがってろ」
 ラキエは僕を自分の背後にまわして、像に向かって手をかざした。
「ちょうどいい、片付けてやる」
 余裕で軽口を叩くラキエの掌が白く輝く。
 どんどん強さを増す像の光。その光の中心めがけ、掌に集まった冷気を放った。
 バチバチッと放電するような音がした。力がぶつかり合っている音なのか? 洞窟内が強い光で眩しく照らし出される。
「ラキエ………!」
 不安で思わず彼の名を呼ぶ。光に包まれた像の姿はゆるがない。
「しぶといな」
 思いがけず力が残っている呪いにラキエが眉をしかめた。
「カビくさい呪いが、消えうせろ!」
 ラキエは両手を重ねてさらに強い魔力を放った。
 悲鳴のような音と共に、光が一層強くなり、やがてそれは弾けて消えた。あまりの眩しさに僕もラキエも目を覆った。

「………チクショウ、目の前がチカチカしやがる」
 ラキエの声が聞こえた。まともに見た最後の光が焼きついて、視界がきかない。
「………」
 ようやく目を開けると、目の前にいたはずのラキエがいない。
「ラ………」
 呼びかけようとして、僕は声を飲んだ。
「大丈夫か? アシュ」
「ラキエ………?」
 目の前に金髪のオンナノコがいた。足元にはさっきまでラキエが着ていた服が落ちている。オンナノコと思ったが、よく見ると………オトコノコだ。ちゃんと足の間に小さなモノがついている。
「あ、アー…なんだ、これ? 俺の声が変だ」
 小さな男の子は喉に手をあて首を傾げている。
「君………ラキエ、なのか?」
「何言ってやが……!」
 ラキエは喉に触れた自分の手を見て目をむいた。
「呪いが………」
「なんだ、これ」
「呪いがかかっちゃったんだ。ラキエ………」
 僕は床の上に座りこんだ。ラキエは自分の体をぺたぺたさわっている。
「………かわいい」
「かわいいってなんだ! バカにするな」
(どうしよう、すっごくかわいい………)

 僕は呆然と目の前の変化したラキエを見つめた。
(7歳? 9歳くらいかな? 目も大きくて丸顔で………小さいし)
「その姿って君が子供の頃の?」
「子供の頃、なんかあるか」
「だって、今の君はどうみても9歳くらいに見えるよ?」
「9さい?」
「生まれて9年目の人間の子供に見える」
「う…」
 ラキエは手から視線を自分の股間に向けた。
「ラキエ………」
 僕はなんて言葉をかけてよいやらわからずラキエが自覚するのを待った。
「ち、ちいさ……」
「………」
 ラキエの言葉に思わず笑いそうになるのをこらえる。だがラキエにしてみれば笑い事ではなく、もともと青い肌をいっそう青くしてぶるぶる震えている。恐怖とか悲しみとかではなく、おそらく怒りで。
「ラキエ、あの、ねえ………」
「―――ッ!」
 ラキエは自分のものをギュッと手でおさえて、しゃがみこんだ。
「チクショー、こ、殺してやる!」
 怒ってるのもかわいい……、などと僕は不謹慎に考えた。
「こんなくだらない呪いかけた奴、見つけ出して殺してやる!」
「ラキエ、そ、それより、呪いを解くほうが先だと思うよ」
 僕は口元を押え、笑いをこらえながら言った。そもそもその呪いをかけた相手が人間ならとうに死んでいるだろう。
 ラキエはは僕の言葉を聞き、眉を寄せた。
「………解けるのか?」
「………え?」
「これ、解けるのか?」
「ラ、ラキエ。まさか解呪の方法しらないんじゃ………」
「………」
 ラキエは目線を泳がせ、何もない所をじっと見つめた。まるでそこに答えがあるみたいに。
 だがやがて僕に顔を向けて呟いた。
「どうしよう、アシュ」
「そ、そんな~~っ!!!」

ちびラキ

2006年06月30日

経済エンターティメント

「不撓不屈」を観に行った。

「金融腐食列島・呪縛」以来、経済エンターティメントというジャンルができて?「陽はまた昇る」(西田敏行・VHSの成功)「燃ゆるとき」(中井貴一・日清カップヌードルのアメリカ進出)につづき「不撓不屈」(滝田栄・TKC税理士会を生んだ男)と続いているんですが。

「不撓不屈」は「燃ゆるとき」を観に行った時と同じように、原作が「金融腐食列島」と同じ高杉良だからと行ったのですが、やはり「金融腐食列島」ほどの興奮は感じさせてもらえませんでした。
これはやはり監督の差なのかもしれません。
「不撓不屈」も「燃ゆるとき」も主人公たちは力強い言葉で語ってくれるのですが、「金融腐食列島」の時のような言葉による快楽、画面による快楽がないのです。「金融腐食列島」のあのスピーディかつシャープで一瞬足りとも目が離せない、まるでスポーツ実況を見るような感じのあのわくわく感がない。
ああ、そう。スポーツ感覚。キャラクターに思わず「がんばれ!」って応援したくなるようなあの感じ。
小説なんかでわけもわからずひきこまれるのを作者の筆力がある、っていうけど、「金融腐食列島」のあの力ってなんなのかな? 映画力?

金融腐蝕列島 呪縛
原田眞人 役所広司 仲代達矢
B00005HPJS

こうなったらやはり監督の出世作と言われる「KAMIKAZE TAXI」を観て確認するしかないかもしれない。でもヤクザ映画なんだよなあ………
あ、監督は「原田眞人」。今調べたら「狗神」とか撮ってるんだ。そして「突入せよ、浅間山荘」もだ。
「浅間山荘」はビデオで観たけどよかったな。そういえばあれも「金融腐食列島」と似た色だった。
「KAMIKAZE」よりさきに「狗神」見ようかな。

あ、「不撓不屈」だけど、国が民間をいじめはじめるとヤクザよりたちがわるいな、ということだ。

突入せよ!「あさま山荘」事件
原田眞人 役所広司 椎名桔平
B00006IZ6C

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