「SAW」という映画を観て来ました。
映画館の前のポスターを見てもさっぱり内容のわからない映
画です。
古ぼけたバスルームに二人の男が対角線上に鎖で足をつな
がれ、真中には自殺死体がころがっています。
………たぶん、こういう状況から逃げ出す映画なんだろうな、とまるきり知識をもたずに観にいったら………いやー、サイコサスペンスっていうんですか? 異常な犯人の仕掛けた罠にかかった二人の男の極限の話で、もうこの犯人の異常ぷりというか、残酷性というか、有名な「羊たちの沈黙」のレスター教授も裸足で逃げ出す(言い過ぎか)というか、とにかく、始まりから終わりまでまったく心拍数が変わらずバクバク言いぱなし。観終わったら長距離走ったみたいに疲れてました。気の弱い人はダメです。心優しい人も観ては行けません。カップルも多かったのですが、見終わった後みんなげっそりしてました。おんなのこ3人組は立てないようです。
もうほんと、展開が読めないというか、「医者がなんで気づかないんだよ」とか「いや、あんたそれで六時間は無理だろう」とかつっこみどころも多いのですが、そういうのは観終わって1日くらいたってから出る感想で、観ているときはもう何も考えられずにその怒涛の展開に飲みこまれました。ネタバレになるので詳細は書けませんが、キャラクターは医者とカメラマン、その彼らが片足ずつを太い鎖で太いパイプに繋がれている。距離は離れている。真中には自殺死体。カメラマンには「この状況から逃げ出せないと死」、ドクターには「カメラマンを殺さないと家族が殺される」というメッセージ。制限時間は六時間。二人は最初協力して脱出方法を探すのだが………。
もちろん映画なのでそのバスルームだけでなく、二人の過去やドクターを待つ家族の危機、犯人のこれまで犯した犯罪、それを追う刑事たち、とシーンはいれかわり飽きさせません。しかしすぐに人間に向かってぶっぱなすくせに、人を助けるために機械を撃つということをなぜすぐに思いつかないんだ、やつらは。お前らの銃は人に向けてしか使えないのかと小1時間。
あまりあちこちで広く上映しているわけではないのですが一〇月からずーっと公開しているのだからそこそこ人気はあるんだろうな。
スリルとサスペンスを求めたい人にはオススメ。
私は心臓の鼓動が止まらなくて、映画を観た後相方をむりやりさそって酒を飲みに行き、ムール貝を食べて日常の話をして、なんとか落ちつけたよ。ふう。
そうそう、二人の手持ちのアイテムは「糸ノコ」「着信専用携帯」「小型カセットレコーダー」「犯人のメッセージ入りテープ」「煙草2本」「ライター」「弾丸1発」そして自殺死体の手に「銃」。
鎖は糸ノコでは切れません。切れるのはもっと柔らかいものです………あああああ。