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2004年08月 アーカイブ

2004年08月01日

ベルセルク


 「ベルセルク」はなんだか本当にファンタジーになってきたなあ。
 いや、今までだってモンスターが出てくるファンタジーだったん
 だけどどこか現実味があって、ここのところでなんでファンタジ
 ー臭を感じるようになったのかなあって考えてたらひとつ思い
 当たりました。
 今までのベルセルクの場合、たとえモンスターが出てきたとしても、その成り立ちは「超自然的な5人の天使」から「ベヘリット」を受け取り、ふみにじられた人間が自分の大切なものと引き換えに「使徒」として理不尽な力を得る、という、いわば自分の意志ではない(いや、使徒になるのは意志なんだけど、それをねじまげるだけの悲惨な状況があるからさ)、ある意味、運命に従った結果で、それにガッツが人間の生身で対抗する、また対抗し得うる存在だったので現実味があったんだけど、前々巻あたりから「魔女」がでてきて、この「魔女」は人間でありながら人間の意志で修行して魔女になるもんだから、つまり、使徒になるのは人間の力じゃムリなんだけど、魔女の場合は人間のがんばりでなれちゃう、というところにファンタジーっぽさが。
つまり………私は人間以上の存在が人間を変えるのは現実として受け入れられるのに、人間自身が努力して魔法を使うのはうそ臭いと思っているわけだ。これってひねくれた感じ方かなあ。

2004年08月02日

ナツノクモ

「ナツノクモ」は「空談師」が中途半端な終わりをしたと思ったら小学館から出たコミックス。同じ「リネン」という会社を使っている以上、世界観は同じなのだろう。もう少し現実-オフライン-もかかわってくるような動き。相方はこの世界(漫画?)が理解できないと放棄したが、私も理解できているわけじゃないし、説明不足な感は認めるが、最終的にオチを満足させてくれれば、意味深な進み方でも許す。ナゾだけ撒き散らして納得いかない終わりをするような「トワイライトシンドローム」的オチはどうか勘弁。

ナツノクモ 2 (2)
篠房 六郎
4091884822

2004年08月03日

スチームボーイ

日曜の朝、洗濯物をまわして、ウエンディーズにモーニングセットを食べにいったんです。1時間以内で戻れるはずでした。
そうしたらウエンディーズの前に映画館があったんです。スチームボーイがあと15分ではじまるところでした。
映画館に入りました。当然、洗濯物のことは頭から抜けてました。


 スチームボーイ、まるで写実派の絵のように美しいマンチェス
 ターの田舎、陰鬱なロンドンの風景、目を奪われるロンドン博
 の背景、そして動き回るキャラクター。
 絵はいい、すごくいい、いや、話だって面白い………でも。
 
 「AKIRA」の勝ちだな。
 同じオオトモ監督の作品で比べたら、「AKIRA」や「工事中止命令」の方が面白かった
 かもしれない。
 何が原因かというとやはり主人公のキャラクターなんだと思う。巻き込まれガタの13才の少年・レイ。「AKIRA」のカネダも確か15か16才だったと思うし、二人ともデザインはごく普通の男の子なのだが、カネダが見せるふてぶてしい表情や、黒い面の魅力っていったらもうあなた。そして何より、前に突き進む行動力に納得させる力がある。その点、レイは弱い。自分の意志にも迷いがあるし(もっとも科学が人のためのものか、そのために人を傷つけていいものか、科学の発達が人の幸せのためのものなのかという答えのナイ問いの中にいるからしかたないけど)、今ひとつミリョクに欠ける。声優初挑戦の女優さんはがんばっていたけどやっぱり今ふたつくらいだったし、何より、第三の主人公ともいうべきおじいちゃんの声の人が………うーん、だめだった。すごく耳についてしかもはいってこない。ここは無難に永井一郎さんにでも頼むべきだった。
(スチーブンスン役の児玉清はよかった)
話が途中でだれる感じがあるのがハリーポッターと一緒で、ちょっともぞもぞしちゃった。10年、24億かけて申し訳ないけど、2回目を映画館で見るかといわれたらちょっと遠慮するかもしれない。
ちなみに私が映画館で二回以上見たのは
「ビューティフルドリーマー」「パトレイバー1」「もののけ姫」
「カリオストロ」「ナウシカ」「ガメラ1・2」「指輪物語1」かな?

2004年08月22日

広島国際アニメフェスティバル

さて今日は朝からアニメフェス。9時から9時まで12時間耐久だ。
ホテルの人に年金会館までの行き方を教えてもらう。バスに乗れば年金会館前で止まるらしい。知らない町はなんとなく心細いぞ。

年金会館前で下りたがそれらしい建物が見えない。お昼ゴハン調達のついでにコンビニの人に聞くと年金会館の隣だという。会館がでかいんだな。
でかい会館を超えると確かにポスターが! ここがあこがれのアニメフェス会場か。おお、外国人もいっぱいいるぞ。

ちけぴで買っておいた前売り券を1日券に変えてもらう。これで今日一日自由に出入りできる。プログラムを購入、なるほど、3つのホールでいろいろ上映しているのか。うーん、なやむな。
大ホールではジョン・ハラス「動物農場」………イギリスの政治風刺の長編アニメ。中ホールでは世界の子供の作品、小ホールでは現代日本のアニメーション。
動物農場にも惹かれるがここはやはり現代日本だな。
これが2時間弱。計11本だがそのうち2本はストーリーはあるようだが訳がわからず、2本はストーリーがありよくわかり、残りはアニメーションとしての面白さを見せたもので、インパクトの利いた短い作品が多い。人間の体の1部をさまざまな機械に置き換えた「快動力」しっとりとした人形アニメ「朱の路」、いろんなパスタでつくったキャラクターが楽しく大浴場にはいる「ボーノーモ」が個人的にお気に入り。
さて、お昼ゴハンを食べて後半戦。

午後は大ホールで韓国のアニメ監督の「エンプレス・チャン」、中ホールで平和のためのアニメーション、小ホールで「九里洋二11PM特集」。ここはやはり韓国長編アニメだろうな。キャラクターがちょっとディズニーみたいだけど午前中にストーリーのないアニメ見すぎたから少し頭休めないと。
これは親孝行な娘が父親の目が見えるようにと海神のいけにえになるけど、助かって王子の花嫁になるというシンデレラストーリー。
絵も演出もディズニー風。でも主人公がかわいくて魅力的。おかしかったのは王子と見つめあうシーンで王子の目がキラッと光ったところ。しかも両目。ここで観客爆笑。監督は来日してたけどなんでここで爆笑が起こるのかわからなかったろうな………。


 ちょっと休んで大ホールでは「平成狸合戦ぽんぽこ」と高畑勲
 トークショー、中ホールではベストオブザワールド、小ホールで
 は久里洋二パート2。
 「ぽんぽこ」は見たことがなかったので見てみる。
 うーん、なんかあまり面白くないぞ。と思ってたら高畑勲自ら
 その正体をバラした。
 この映画には観客に感情移入をさせない演出がとられていたのだ。
 それってエンターティメントとしてはどうよ?
 でも高畑監督は「そんな映画も必要だと思う」と言いきる。そーかなー。
 確かにナレーションの多用、キャラクターの変化の多用、主人公を決定しない方法などで感情移入はしにくい映画に仕上がっているので監督の意図通りなんだけど。音楽はよかったと思う。

最後は大ホールでコンベンション。このアニメフェスへのグランプリを決める世界各国からの参加作品。今日が最終日だ。全部で14作品。字幕がつかないのでストーリーのあるアニメにはつらい。というかやはりストーリーがないアニメもある。5つはわからなかった(笑)。
アニメフェスのあとは広島で友人に会う。彼女は宮島観光をしてきてホテルで落ち合った。広島地ビールを飲める店で飲み食いし、ホテルに戻ったあとはゲームの話などをしながら………オリンピックを見てしまう。あああ、マラソンみちゃったよ、ゴールまで。明日も9時からというのに………

2004年08月23日

広島国際アニメフェスティバル

さて19日から続いていたアニメフェスも今日が最終日。わたしにとっては2日目だけど。

昨日マラソン見てしまって日本選手優勝おめでとう。マラソンは見てると変わらないのに目を離すと順位が変わってて困るよね。

広島で落ち合った友達が午前中一緒にアニメを見てくれるというので最初のプログラム分だけ(1200円)買って入場。私は1日券がある。最初のは小ホールでフェスティバル受賞作。受賞作だから面白いはずだがやはり訳のわからないものもある(笑)。大ホールではシルヴァン・ショメ監督の「ベルヴィル・ランデブー」長編アニメだが絵が好きな感じではないのでパス。中ホールでは平和のためのアニメーション2。
お昼を喫茶で軽く食べて二人で広島平和公園へ。

原爆ドームをはじめて見た。いや、なんかこう………凄かったね。
異様だよ。回りはちゃんと平和な平成なのに、ここだけ時間が止まってるよ。怨念しょってるよ。絶対風化させるもんかって意志がドームにはこもっているよ。そこだけ切り取られたみたいに本当に異様だよ。
私は戦禍を残しておく意味がわからなかったけど、これ見てわかった。残すべきなんだ。体験してなくても頭の中の知識だけでもわかる。もうやっちゃいけないことだと。これは人間の過去最大の過ちだと。許されることではないと。そしてそのうえで乗り越えなければならないのだと。
いや、やっぱ日本人は、人間は見ておくべきだよ、ヒロシマ。

友人がバスで帰ってアニメの後半戦。
ちょっと遅れたらフェスティヴァル受賞作品4は満員御礼。小ホールでやるなよ、みんな見たいだろうが(泣)。仕方なく大ホールのジミームラカミ監督の「風が吹くとき」を見てしまう。ああああ。

 原爆ドームのあとはコレはツライ。
 イギリスに原爆が落ちるが、原爆に無知な老夫婦はいつかくる
 政府の助けをただ待ちながら死に向かう。
 絵がほのぼのしてるんだよ、スノーマンの絵本の人だよ。

「外にでたら原爆があるんじゃないの?」
「そんなのどこにも見えないよ」
「あとで体に害があるんじゃないかしら、昔日本人はあとからもずいぶん死んだみたいだし」
「ちゃんとやるべきことをやってなかったんだよ、まあまだ科学も発達してなかったし」
「どうして新聞がこないのかしら」
「原爆が落ちたんだもの、書く記事が多すぎて遅れているんだよ」
不安になり弱っていく妻を精一杯労わる夫
「泣くんじゃないよ、泣くんじゃないよ、体の調子が悪くて心が参っているんだよ」
「お祈りをしてちょうだい」
「どんなんだっけかな」
「なんでもいいわ」
「慈悲深き父よ、………緑の野に………」
「とてもいいわ、とくに緑の野ってところが」
「後は忘れちゃった」
「ありがとうあなた」

ああああ。

二度と見たくなかったのに。

続き さて大ホールでは引き続き「ベストオブザワールド」世界の優秀アニメだ。やはり意味のわからないものもあるが爆笑ものもある。
居眠りする老婦人のもとにくる死神。まさにその鎌が老婦人の命を立ちきろうとした瞬間、婦人の蹴りがヒットする。ワンピースを脱ぎ捨てた老婦人の渾身のアクション技。死神の惨敗。グロテスクな死神と単純な線の老婦人の対比が面白い。

残念ながら大会結果を見ることなく帰途へ赴かなければならない。19時までの電車にのらなければ今日中に東京へ帰りつけないのだ。しかしヒロシマにきてお好み焼きを食べないのはあまりに馬鹿馬鹿しい。
と、広島駅の駅ビルの中にお好み焼きのカウンターが5軒、並んでいるではないか! さっそくおばちゃんが焼いている店にはいる。大盛りキャベツとヤキソバのお好み焼きはうまかった! 650円。安い! お好み焼きはお好み焼き村へ行かなくても駅で食べられます。

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