「博士の愛した数式」というハードカバーの小説を買う。
本屋さんが売りたい本第一位という帯に引かれ店頭で手にとっ
て読み始めて……いかん! このままでは店頭で読了する!
と急いで購入。おもしろかったぜ。
頭の中の記憶テープが80分しかもたない数学の天才博士と
家政婦とその息子の話。
博士と息子が魅力的。スパイスの野球がまたいい味を出している。
野球がからむ小説は村上龍の「走れタカハシ」くらいしか読んでないのだけど、
あれに似たさわやかさ。
そして「ドライビングミスディジー」に似たほろ苦く暖かな感じ。
野球カードにまつわるオタク的な情熱や「自分は80分しか記憶できない」と毎朝自覚
しなければならない博士の絶望、博士の語る美しい数学の世界。なによりロマンチック
に語られる数式の数々。
とりあえず見かけたら最初の数ページを読め。
五分後にはレジに並んでいるだろう。