「君の不安を受けとめたい」
このセリフにつきますね!
こんなふうに医者に言ってもらえる患者はいるでしょうか?
これはもう恋人の、夫婦のセリフですよ!
すがりつきたかったでしょうが、そこはそれ、プライドの塊の財前には無理です。
しかし井上由美子! なぜ触れさせない!
あと1cmで手が、指がふれるというのに………ああっ!
そしてドア前で立ち尽くすな、里見!
追いかけられない、甘えられない孤独な二人。
しかし臨終のシーンでは泣かせていただきました。
財前のセリフほとんど聞き取れなかったんだけど
「一緒に、一緒に」というセリフだけは聞こえました。
夢見た白い巨塔の最上階、そこには自分、そして横に里見。
これが財前の野望? 夢? 憧れだったんですね。
映像で見せてくれてもよかったのに………ベタベタですか?ベタベタでもいいじゃないか、
夢見せてやれよ、白い巨塔、作ってやれよ、そこに里見立たせてやれよ。井上!
そういうベタなシーンを私は望んだんだよ(泣)。
写真は新潮文庫の原作本。読め、古本でもいいから。