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ファーストガンダム3


 ガンダムの真骨頂とも言える回が続くこの中では、すっかり人
 間ができやがったワッケイン、玄田哲生の美声が冴えるスレッ
 ガー、温厚で律儀なニュータイプ・シャリアブル、作画がすばら
 しかったマ・クベ、武人・ドズルなど、大人の男たちが見せる
 魅せる。
 そして死ぬ。

 それにしてもドズルの号令はかっこいいな。
 もちろん、ギレンの「立てよ国民」に表される演説もかっこいいが、矢継ぎ早に飛ぶドズルの命令は、場内にいた男子諸君ならみなそれに従い、モビルスーツ、あるいは船に乗って、ジオンの礎たらんと欲して命をかけてみたいはずだ。だろ?
今回のオールナイトも女子が多い。最終回だから普段より人が入ったかと思ったが意外とそうでもなかった。

この回の中でやはり特筆すべきは「ソロモン攻防戦」。
ドズルが死に、スレッガーが死に、アムロの覚醒が行われるこの回。
前の日記でスレッガーとミライの別れについて書いたがやはりわたしの記憶違いではなかった。ガンダム上、1位であるラブシーンはしっかりと描かれている。

被弾したスレッガー機がホワイトベースへ戻ってくる。スレッガーを気遣い、すぐにでも飛んでいきたいのだが、責任感の強いミライは操舵から離れられず、ちらちらとブライトを見る。ブライトはそれに気づき、戦闘中は禁じられている個人通話でスレッガーのもとへいくことを促す。
「君の気持ちはわかっているつもりだ。だが僕は待つよ………」
ミライは休憩するスレッガーのもとへ行き、無事な姿に涙ぐむ。スレッガーは言う。
「よしましょうや、少尉。うかつですぜ」
そんな涙を見せると自分が勘違いしちゃうよ、と注意するのだが、ミライにとっては勘違いではない。なんと言われても本心なのだ。その涙にスレッガーは「あんたは俺にはまぶしすぎるから」と首を振る。
だが何も言わずただひたむきに自分を見つめる瞳。スレッガーの胸に愛おしさが溢れる。これが少女の勘違いだとしても短い命だ、応えてやりたい。
スレッガーは自分が戻らないことを知っていたのだろうか、その上で少女に夢を見させてやろうとしたのか。彼は母親の形見のリングを預ける。
それで別れのはずだった。
別れられるはずだった。
だが運命は甘い夢を見させてくれた。
爆撃の衝撃で艦が揺れ、ミライはスレッガーの胸に投げ出される。間近に恋した男がいる。目を閉じて仰向いた少女に応えてやれない男がいるものか。
スレッガーはミライを抱き寄せ口付ける。そっと離せば慣性のままミライは壁際に流れた。口付けの甘い余韻に抱かれたまま………。

一方 アムロはドズルの操縦するビグザムを撃破する。ドズルは自動小銃を手に向き身でガンダムに向かって連射する。
「ジオンの栄光、この俺のプライド。やらせはせん、やらせはせん、やらせはせんぞ!」
アニメ史上心に残る名セリフ、やらせはせん三連発。
アムロは象に立ち向かう蟻を見る心境で敵を見下ろす。だがそのときドズルの背後からあふれだす暗い影。それはたちまち悪魔のような姿を取り、アムロを襲う。
前回の予告編で「憎悪」と名づけられてしまったので観客はその正体を知っている。予告で言うべきではなかったかもしれない。

そしてソロモンは落ち、ドズルの妻は嘆き、スレッガーの死を運んできたアムロにミライは泣き崩れる。
「嘘だって………嘘だって言えないのね、アムロ………!」
そんな女性達の涙の中に満を持して流れる挿入歌「おやすみアムロ」。
ちくしょう、そんなに私を泣かせたいか、ガンダム!
この回は観客席からもすすり泣きが少し。
たくさんの人間が、愛が死んだこの回。そして人間の闘いはここで終わる。なぜなら次からはニュータイプの闘いだからだ。

ニュータイプとしての戦闘進行は早い。そして動画も動く動く。
エルメス、ガンダム、ゲルググの三つ巴の闘いがかっこいい。スピーディなアクション、表情、セリフすべてかっこいい。そして満を持して(またかよ)流れる挿入歌「シャアが来る」………いい歌だよ、かっこいいよ。でも会場には笑い声が。爆笑じゃないところが逆に哀れだよね。だってその笑いって「やーん、恥ずかしい」てな感じの笑いだったから。「シャアシャアシャア、シャアが来る~♪」この回は家でひとりで見たほうがよかったかもね。いや、曲はいいんだよね………
進行が異常に早いと思ったら、ガンダムは52話の予定が43話に縮小されて打ちきられたのだった。ニュータイプ覚醒からサビ家の崩壊はもっと書きこまれるはずだったらしい。

閑話休題。 職場の仲良しさんに今度枕くらいの巨大エルメスが販売されると聞いた。ちゃんとビットつきだそうだ。いや、買わないよ。カルピス劇場のフィギュアはともかく、セーラームーンのフィギュアだって相方に白い目で見られているのに、モビルスーツなんか増やしてたまるか。ふ、増やして………ぁぅぅ。
しかしモビルスーツってデザインいいよね。ロボットの革命だよね。大河原さん万歳。学生の頃、アニメと漫画のサークル誌作ってたんだけど、その頃、注目されはじめていた大河原氏にインタビューしたことがある。素人の度胸だね、今考えると。インタビュー場所は「ドムドムバーガー」。大河原氏はアニメ業界に入る前は下着デザイナーだったそうだ。

やがて ガンダムは最終回を迎える。有名な首なしガンダム。愛機をここまで道具として乗りこなした演出が話題。当然なんだけど、今までのロボットアニメはもっとロボットに添ったものだったからさ。首をふっとばされても「たかがメインカメラを壊されたくらい」と言いきるアムロが新鮮だったんだよ。今までは首がなくなったら動かないからね。
全ての機械を捨てて体一つで仲間のもとへ帰るアムロ。
両手を広げて迎える仲間たち。
「僕にはまだ帰れる場所がある。こんなに嬉しいことはない」

やっぱりガンダムはいいなあ。
もう一回オールナイトやったらまた行くだろうな。それがたとえ二十年後でも。

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2003年12月21日 03:47に投稿されたエントリーのページです。

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