瀬名さんの「ブレインバレー」を読んだ。
脳とかコンピュータとか人工生命とか神とか宇宙人とか、いろ
いろ入り乱れて混乱。
学術的なところはほとんど斜め読みなのできっとちゃんと理解
してないまま終わった。
理解してないと言うのはどういうことかというと、結局主人公の
言葉や思想を自分の中のオチとしているところだ。
つまり主人公のタカオカが、「こうこう、こうであろう」とか「こうこうこういうことか」と思っていることが、自分の中で結末になっているわけ。
でもこういうんじゃなくて、タカオカの言葉をヒントとして、「これはもしかしたら、こうこうこういう話だったのでは」と納得しなきゃいけないんだと思うのね。
でもむずかしくてできないの。
ここからは「ブレインバレー」のネタに係わるので、未読の人は飛ばすように。
瀬名さんは前にも短編で、ある物体を調べて情報を集めることができるなら、逆に情報を集めてある物体を構築することができるのではないか、という話を書いていたけど、もしかしたらそれを膨らませた話なのかなあ。その時は「悪魔」だったけど。
「ブレインバレー」では「神」を作りあげるために人間を進化させたのではないかと、主人公は畏れを抱くわけ。こういう考え方は今までにもなくはないけど、現在の科学や医学や精神学や情報学でリアルに見せることができたのは大きいと思う。まあ読んでも一体何がどうなってそうなるのかは私の頭では理解不能だけど。