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2002年11月 アーカイブ

2002年11月01日

宣戦布告

「宣戦布告」を観た。
昨日観たビデオの「スパイキッズ」よりは面白かった。「スパイキッズ」はNHKの「天才てれびくん」のようで退屈だった。スパイグッズに醍醐味があるんだろうけど、けっきょく誰にでも扱えるおもちゃみたいで、どうも今一つ………なんていうかマニアックさが欠けている。なにか使いこなすための手続きなりとあればまだよかったんだけど、「ハリーポッター」に出てきた魔法グッズ」も同じ意味で私にはつまんないんだよね。

で、「宣戦布告」だ(笑)。
うう。緊迫感がもうちょっと欲しい。そして自衛隊が弱すぎ! いくら実践経験がないのを描くと言っても、武器装備に差があるわけじゃなく、なぜたてこもったたった三人にああもバカスカやられるんだ。つか、たてこもっている小屋をいくら撃ったって無駄。なぜガスや催涙弾をつかわない、なぜいきなりコブラでバルカン砲? 単に監督がコブラを使いたかったっていうわがままじゃないのか。コブラ使えなきゃ意味がないとまで言ったっていうけど、それじゃ子供じゃん! なぜバルカンなんだ、なぜバズーカじゃいかんのだ。予算の無駄つかい。
いや、戦闘ヘリ・コブラはかっこよかった。元々戦闘ヘリは大好きだ。特にヘリが正面画面で下から上へがーっと出てくるシーンは誰だって理由なく血湧き肉踊るもんだ(「踊る大捜査線」だっけ、あれにもヘリコ部隊が出てきたけど、あれも残念だったのは三機いっせいに出てくれなかったことだよな、すこし左の機体が遅れたのがアタシ的には美しくなかった)。しかし、その後のコブラがバルカン撃つシーンはこれはフィルム別撮りだろ? だったらコブラ借りたのはこの正面映像だけか? 意味があるのか? バルカン撃つシーンに3分はかけてくれたけど、フィルムがぼけぼけで残念。
敵は「東方人民共和国」だけど劇中では「北」と呼ばれていた。もっている武器は当然のようにスペツナズ。わかりやすい武器だからね。でも後半のたてこもりの時に使っていたものすごい弾薬量の武器はなんだったのかよくわからない。パンフレットには武器の紹介も載せてください。
最期まで見てて当然協力に「防衛庁」「自衛隊」と出るだろうと思ってたらでなかった。こういう映画のクレジットにその名前が出るのを一種楽しみにしている(笑)私としては「?」だったけど、パンフレットには防衛庁の協力がなかった、とあった。ほう、すると全部自作か、そこはすごいな。怪獣映画では「防衛庁」「自衛隊」は喜んで協力してくれるけど、こういう時事問題ネタでは協力してくれないわけだ。コブラはどこから持ってきたんだろう。
後半首相たちは「危機管理センター」に移動するんだけど、そういうのが本当にあるのかと思っちゃった。グーグルで調べて見学に行こうかとまで(笑)。なかった。その辺チャチくなくてよかった。

ま、私的には首相と情報局室長の関係がなんかいやらしくてよかった。夏八木勲には頼りたくなるよな、古谷一行。

宣戦布告
宣戦布告古谷一行 麻生幾 石侍露堂

おすすめ平均
starsとても勉強になりました
starsこれはヤバイ
stars現在の日本を!
starsよくやったと思います。

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2002年11月05日

ヴィドック

ヴィドック」を見た。茶色とネトネト色の映画だった。うーん、いまいち。
もちょっといろいろ説明してくれ。
個人的には処女を使った不老薬の作り方とか、「鏡マスク」の退治仕方とか。頼む。

2002年11月09日

ブレインバレー

 瀬名さんの「ブレインバレー」を読んだ。
 脳とかコンピュータとか人工生命とか神とか宇宙人とか、いろ
 いろ入り乱れて混乱。
 学術的なところはほとんど斜め読みなのできっとちゃんと理解
 してないまま終わった。
 理解してないと言うのはどういうことかというと、結局主人公の
 言葉や思想を自分の中のオチとしているところだ。
 つまり主人公のタカオカが、「こうこう、こうであろう」とか「こうこうこういうことか」と思っていることが、自分の中で結末になっているわけ。
 でもこういうんじゃなくて、タカオカの言葉をヒントとして、「これはもしかしたら、こうこうこういう話だったのでは」と納得しなきゃいけないんだと思うのね。
 でもむずかしくてできないの。

 ここからは「ブレインバレー」のネタに係わるので、未読の人は飛ばすように。
瀬名さんは前にも短編で、ある物体を調べて情報を集めることができるなら、逆に情報を集めてある物体を構築することができるのではないか、という話を書いていたけど、もしかしたらそれを膨らませた話なのかなあ。その時は「悪魔」だったけど。
「ブレインバレー」では「神」を作りあげるために人間を進化させたのではないかと、主人公は畏れを抱くわけ。こういう考え方は今までにもなくはないけど、現在の科学や医学や精神学や情報学でリアルに見せることができたのは大きいと思う。まあ読んでも一体何がどうなってそうなるのかは私の頭では理解不能だけど。

POPの力-暁星記

ひさびさにジュンク堂へ行って漫画の単行本を買った。新井素子と諸星大二郎が帯に推薦文を書いている。諸星大二郎は好きだ。そしてジュンク堂の人も推薦文を書いていたのだが、正直に言おう、その推薦文で買ってしまったと。
以前、「白い犬とワルツを」という翻訳小説が、とある書店のスタッフの推薦文で空前絶後の売れ方をしたというが(買ったよ………)、推薦文って偉大だよな。
で、私の心をくすぐったその推薦文は、

『新井素子と諸星大二郎が帯を書くということ、このある意味、局地的にだが豪華な推薦の意味がおわかりだろうか(略)表紙に怯えず読んでもらいたい』

買うしかないだろう(笑)。「ある意味、局地的に豪華」。ツボすぎる。新井素子と諸星大二郎の共通点はわからないが、諸星大二郎が推薦するならなあ………。
その本の名は『暁星記』。はるか未来の金星で太古の暮らしをしている民の物語。世界をきちんと作り上げて綿密に描かれてはいるが………すまん、絵が………。たぶん2巻目は買わない………かも。でも2巻の帯が諸星大二郎なんだよなー。諸星大二郎が大丈夫、というのは、諸星大二郎のような絵は他の誰にも描けないし、話にぴったりあっているからでさ………。
でも続けて読めば次巻を待つようになるのかなー。うーん、迷うところだ。

2002年11月13日

漫画はキャラクター

今日はコミックスを3冊。ジャンプの「ブリーチ」ヤングチャンピオンの「操り師かなめ」ヤングユーかなんかの「シンクロオンチ」。
「ブリーチ」と「シンクロ」が面白かった。「シンクロ」は久々に買った少女?漫画で、ちょっと太めで自信のない女の子(でもカレし持ち)がシンクロを始める話。酒を3杯飲むと内心をしゃべっちゃう赤裸々モードとか、キャラクターのつくりが面白い。回りの登場人物もいい人ばっかで安心して読めるし、主役の女の子に素直に感情移入できる。

「ブリーチ」は職業死神になってしまった高校生が悪霊退治をする話。主役の子はあまり面白くないんだけど、周りを取り巻くキャラがいい。特に元死神のルキアとか、でてきたばっかだけどチャドくんがイカス。5巻くらいまで出てるので買ってみようかな。絵はすっきりしててちょっと「ワンピース」風。まあジャンプだからまた友達をかばってみんなが血まみれになるんだろうなあ。でもジャンプのキャラって血まみれになっても痛そうじゃないっていうかリアルじゃないっていうか、痛みが痛みとして伝わらない。「痛み」やら「思い」はサンデーの「うしおととら」が一番伝わったかなー。あれ好きだった………とらと真由子が………。

「かなめ」はけっこう好きな絵で泥くさい。話にはあっている。鬼の血を引く美女が妖怪退治をする………。俺様な仲間もできてさあ、旅を続けるぞ、というところで2巻に続くんだが………、うーん。要の操る操り紙とか設定はいいんだけど。やっぱりキャラクターなのかな、と3冊読んで思う。

2002年11月15日

七人の証人

西村京太郎の「七人の証人」を読んだ。
目が覚めたら絶海の孤島にいた十津川警部。そこは映画のセットのようにある街の一部が作られていた。そして他にも七人の人間が、わけもわからず集められてて………そして一年前の殺人事件の真相があばかれてゆく。
この七人には共通点があるのだが、まあそれは読んでからのお楽しみってわけで、面白かった。西村京太郎は本当に安心して読めるなあ。特に初期のものはいい。この「七人の証人」はトラベルミステリーではない分、あまり知られていない作品らしい。映画とかにすれば面白いのに。法廷劇とか好きな人におすすめ。最後のばたばたばたっと話がすすんでいくとこなんか、目が離せませんね。久々にいいミステリーを読んだ。

七人の証人
七人の証人西村 京太郎

おすすめ平均
starsコレは傑作ですね!!

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2002年11月20日

AKIRA-20世紀の幸運

 テアトル池袋で「アキラ」を観た。
 5.1chの立体音響でのデジタルサウンドリニューアル版。
 もちろん1988年にも劇場版は観たし、ビデオも持っている。が、あえて観る。
 そう思って場内を見回すとなんとなく濃い客層のような気がする。
 カップルいないしな。男の二人連れとか女の二人連れとか。
 ここに来ているのは「アニメファン」でも「マンガファン」でも「大友克洋ファン」でもない。
 「アニメのアキラファン」なのだ。



アニメのアキラはマンガとはまったく展開が違う。これはこれで一つの完成品となっている。あくまでも金田と鉄雄のふたりに焦点を絞った少年マンガなのだ。
テアトル池袋は狭い。画面も小さい。だが、やはり「アキラ」は映画で観るべき作品だ。目を奪う美しいテールランプの流れ、バイクの疾走感、破壊、爆発、金田や鉄雄の動き一つ一つが美しい。画面の奥から手前に向かって歩いてくるシーンから、最後の鉄雄の光を抱きしめる祈りの姿まで、金田の存在感から目がはなせない。そして、いまだかって、そしてこれからもこれほど緻密に、大胆に、そして”面白く”都市の破壊を描いた作品は現れないだろう。20世紀、21世紀と、「アキラ」に出会えたことはアニメファンとして幸運なことだ。

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